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体内深部から体外に情報伝送、無線給電との共存も計画

東京理科大学 基礎工学部 電子応用工学科 柴研究室

日経エレクトロニクス
2014/03/17 00:00
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NEアワード候補技術紹介(8):
容量結合による体内─体外間通信技術

東京理科大学 准教授の柴建次氏

 東京理科大学 基礎工学部 電子応用工学科 准教授の柴建次氏の研究グループは、容量結合によって体内深部から体外に無線で情報伝送する技術を開発した。埋め込み型の人工臓器や、カプセル型の内視鏡などが体内で得た情報を体外に送信する用途に向ける。

 柴氏によれば、体内の深部からの情報伝送に、これまでは有効な手段がなかったという。有線通信では体表部に管を貫通させることになり、人体への負担が大きい。しかし、「赤外線通信は出力を上げても体表近くまでしか届かないし、位置のずれや皮膚の色素への耐性が低い。UWB(ultra wideband)の利用も考えたが、先行研究によれば3cm強が限界だった」(柴氏)。例えばすい臓は、体表から10cm以上離れた深部にある。がん細胞が死滅する42℃以上の温度に加熱する治療の際に、計測した細胞の温度を体内深部から体外に送信するといった要求を満たすことを考えた。

 柴氏らが開発した体内─体外間通信技術は、2枚の電極を持つ体内埋め込み型機器が送信した信号を、体表に装着した2枚の電極で受信するものである。体内埋め込み型機器が変調した交流電圧を電極間に印加すると、微弱電流が機器を回り込むように体内を伝播し、電界が発生する。体内組織を伝搬する電流によって機器よりも大きいアンテナをつくり出すアプローチだ。一方、体表に装着した電極と受信器までの配線は、ループアンテナとして機能する。

システム構成。体内埋め込み型機器と体表面のそれぞれに2枚の電極を配置する(図:東京理科大学)

 シミュレーションソフトウエアによる解析では、埋め込み型機器に印加する交流電圧の周波数が数MHz付近のときと800MHz付近のときにアンテナが共振し、受信電力が大きくなることが分かった。10MHz未満の低い周波数の電波は、空気中を伝搬しないため秘匿性を確保しやすい利点がある。それに加えて、高い周波数は測定環境のわずかな変化で共振状態から外れるため、使いにくい。そこで、数百k~数MHz付近の周波数を利用することに決めたという。

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