「30分遅れます」は何分待つの?経済学、佐々木一寿著、新書、203ページ、893円(税込)、日本経済新聞出版社 、2012年12月
「30分遅れます」は何分待つの?経済学、佐々木一寿著、新書、203ページ、893円(税込)、日本経済新聞出版社 、2012年12月
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  「いつでも予測以上の時間がかかるものである - ホフスタッターの法則を計算に入れても」

 コンピュータ科学の若き研究者(1985年出版当時)が提唱した法則は、ケインズの経済理論と通底していたのだ。技術者が慣れ親しんだ理科系の学問が経済学に関連しているなんて、なんだか不思議な気がする。

 第1章の紹介に力を入れすぎてしまったが、著者の佐々木氏は、2章では行動経済学の極意を相田みつをの語録を引いて説明したり、第3章ではマリッジブルーを行動ファイナンス理論で解説したり、笑いを取ったり。ともかく最新の経済学のエッセンスを伝えるんだ! と汗だくで説明しているようすが伝わってくる。

 相手に分かってもらおう、分かってほしい、という熱意と手法を学ぶためにも、ぜひ手にとることをお勧めする。

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■著者紹介
浅沼ヒロシ(あさぬま・ひろし)
ブック・レビュアー。
1957年北海道生まれ。
日経ビジネス本誌、日経ビジネスオンライン連動企画「超ビジネス書レビュー」(2011年9月終了)のほか、「宝島」誌にも連載歴あり。
ブログ「晴読雨読日記」、メルマガ「ココロにしみる読書ノート」の発行人。
著書に『泣いて 笑って ホッとして…』がある。
ツイッターアカウント:http://twitter.com/syohyou