LEDや有機ELを用いた次世代照明に詳しい筆者が、転換期にある照明分野の新しい市場や応用の可能性を探るコラムです。先進国はもちろん、巨大市場の中国をはじめ、これから普及が本格化するASEAN(東南アジア諸国連合)などの新興国の動向にも目を向け、実際に現地を歩き、さまざまな人々と話す中で見つけた現場感ある旬の話題をお届けします。
Granage LLP代表
急激な発展を遂げつつあるミャンマーでは、建物はますます増え、道路は整備され、街路灯が設置されていく。それに従って電力消費も増えるのだが、インフラが追い付いていない。そこで、注目を浴びたのが、省エネ効果のあるLED照明である。新築物件にはLED照明が採用されることが多く、それがLED照明市場をけん引し…
東南アジアの中で、カンボジア、ラオス、ミャンマーが新しい投資先として注目されている。3カ国の頭文字を取って「CLM」と呼ばれることも増えてきた。その1つであるミャンマーは、長年続いた“鎖国状態の国”から、一気に近代化を成し遂げようとしている。
今や世界的なLED産業の集積地となった中国の照明市場に、二つの大きな変革が起きている。一つは、照明とインターネット技術の融合や、紫外LEDなどの新技術に積極的に打って出る動きの活発化。もう一つは、自動車用照明を軸にしたM&A(合併・買収)による業界再編である。
日本企業は、品質で巻き返せるか
中国のLED関連企業が、東南アジアでの攻勢を強めている。2015年5月にタイの首都バンコクで開催されたLED照明関連の展示会。出展企業330社のうち中国企業は168社と、前回に引き続き半数を超えて他国を圧倒した。
欧米発「Human Centric Lighting」が押し寄せる
「ヒューマン・セントリック・ライティング(HCL:Human Centric Lighting)」は欧州や米国で広がる照明の概念の一つで、照明の明るさや色などの調整によって照明下で過ごす人の集中力を高めたり、生活リズムを改善したりすることなどを目指している。そこで重要性を増すのが、照明器具のネットワ…
発光効率が向上、見えてきたロール・ツー・ロールの生産
市場拡大になかなか進まない次世代照明がある。有機EL照明だ。LED照明に比べて「目に優しく、軽くて薄い」。この触れ込みでLED照明との違いを強調してきたものの、認知度はなかなか高まらない。有機EL照明とLED照明は、戦う土俵が違うという意見も根強い。だが、実際には、有機EL照明の比較対象は、やはりL…
円安を上回る価格下落、いかに攻勢に出るか
広東省の中山市古鎮鎮には中国でも有名な照明の巨大卸売市場「灯飾市場」があり、「中国照明器具の都」とも言われる。省都の広州市から渋滞がなければ2時間程度で着く。古鎮鎮には大きく七つの卸売市場が存在し、そのうちの一つ「瑞豊国際灯配装飾城」を歩いた。この卸売市場は2010年の設立で、LED照明関連部品や照…
見えないものを感じさせる「Human Centric Lighting」、新たな可能性
「LED照明は、建築物のためのものではない。人間のためのものだ」。米Human Centric Lighting Society(HCLS) でExecutive Directorを務めるJohn Hwang氏は、こう指摘する。その意味をかみ砕けば、「照明設計を行う際に、効率だけを求めるのではなく、…
ベトナムで見たLED照明、本格普及の兆し
経済成長が続くベトナムでLED照明が広がりを見せている。その中心は、進出が相次いでいる外資系企業だ。2014年1月に最大の商業都市ホーチミン郊外のタンフー(Tan Phu)区にオープンした日系ショッピングモール「イオンモール タンフーセラドン」。店内には、LED照明が採用された。
東芝のルーブル美術館プロジェクト見聞記
ルーヴル美術館の建物が東芝のLED照明によって照らされるようになってから早3年、筆者は2度目の訪問をした。前回は設置途中だった「ナポレオン広場」と「赤の間」、「モナ・リザ」を照らす照明の完成した姿を、今回の訪問で初めて見ることができた。前回撮影した写真を見返し、今回撮影したものと比べてみたが、緻密に…
ASEAN地区に属する、タイ、インドネシア、ベトナム、マレーシア、ミャンマーにおけるLED照明の今後についてシリーズでお伝えします。今回はインドネシア編です。。
ASEAN地区に属する、タイ、インドネシア、ベトナム、マレーシア、ミャンマーにおけるLED照明の今後についてシリーズでお伝えします。今回も前回に引きつづきタイ編ですが、この5月22~25日に開催された「第2回 LED EXPO THAILAND」の様子から考察していきます。
ASEAN地区に属する、タイ、インドネシア、ベトナム、マレーシア、ミャンマーにおけるLED照明の今後についてシリーズでお伝えします。今回はその第1弾としてタイ編をお届けします。
世界最大の展示会に見る照明の近未来
LEDパッケージの開発企業が新たな技術の方向性を模索している。これまでLEDパッケージで主流の差異化のポイントは、明るさだった。ここにきて、内蔵するLEDチップの極小化や、鮮やかな色の表現などを志向する次世代コンセプトの製品が登場し始めている。背景には、明るさだけではLEDパッケージを競合他社と差異…
LED Next stageに見る次世代照明の今
LED照明は白熱電球や蛍光灯などの既存照明に代わり、特別感のあるものではなく、名実ともに身近な存在となった。これまでは誰でも彼でもLED照明分野に参入し、とにかく光らせていれば興味を持ってもらえた。しかし、今後は簡単なPR戦略では販売拡大が難しくなっていく。
2014年、家庭を射程に内需が拡大
2014年、中国のLED照明産業はさらなる拡大期に突入する。これまで中国のLED照明産業は欧米市場への製品輸出がメインだったが、新興国市場への輸出拡大に向けた動きが本格化し始めた。国内市場では、これまでけん引してきた政府による公共事業に加えて、13億人超の人口を抱える巨大な一般家庭向けの販売がついに…