米国の住宅用太陽光発電市場で最大のシェアを誇る米SolarCity社が、新たなサービスを展開しようと動き始めた。詳細はまだ明らかになっていないが、太陽光発電分野の「クラウドファンディング事業」の可能性がある。
同社は、ユーザーの建物や敷地に太陽光発電システムを設置して電力を販売する「第三者所有(TPO:third party ownership)」モデルで市場を席巻した企業である。単なるシステム設置業者ではなく、プロジェクト開発や金融などの事業者としての顔を持っている。数々の企業買収などを通じて、事業規模を拡大してきた。
そのSolarCity社が2014年1月15日に、インターネットを使って分散型太陽光発電システムに投資できるプラットフォームを提供することを明らかにした。対象は、個人を含めたあらゆる投資家に及ぶ。
さらに同社は、新事業の立ち上げに向けて、米Common Assets社を買収したことも明らかにした。Common Assets社は、カリフォルニア州で起業したばかりのスタートアップ企業である。インターネット上で個人投資家から資金を集め、小規模な会社に太陽光発電プロジェクト向け融資をするプラットフォームを提供している。
この買収によりSolarCity社は、法人の投資家だけでなく、個人や小規模投資家にも分散型発電インフラへの投資を促すことが可能になる。新しい投資サービスは、2014年6月末ごろに始まる予定である。どのような投資サービスが展開されるかは、現時点で明らかになっていない。
SolarCity社といえば、米国で初の太陽光発電資産担保証券を2013年11月に発行した実績がある。これは自社が所有する44MWの分散型太陽光発電システム(資産)を担保として証券化したもの。13年満期(償還年限)で利率4.5%の総額5400万米ドルの証券は、発行後すぐに完売になっている。