First Solar社の売り上げ実績(図:First Solar社の資料を基に作成)
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First Solar社が現在米国で設計・施工を行っている100MW以上のプロジェクト(図:First Solar社の資料を基に作成)
First Solar社が現在米国で設計・施工を行っている100MW以上のプロジェクト(図:First Solar社の資料を基に作成)
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Topaz Solar Farmの建設スケジュール(図:First Solar社の資料)
Topaz Solar Farmの建設スケジュール(図:First Solar社の資料)
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 日本では、固定価格買い取り制度の下で、メガソーラーの設置が順調に進んでいる。2013年11月には、国内最大規模となる約70MWの「鹿児島七ツ島メガソーラー発電所」が運転を開始した。一方、米国の施設は、メガソーラー(MW)から、ギガソーラー(GW)の規模に近づきつつある。現時点で米国最大の施設は、2013年10月に完成した250MWの「California Valley Solar Ranch(CVSR)」である。この他にも500MW超のメガソーラーの計画が進んでおり、中にはGWクラスもある。

 米国でメガソーラーの建設に積極的な企業の一つが、米First Solar社である。100MW超のプロジェクトを複数手掛けており、290MWの施設の完成が近づいている。First Solar社といえば、数年前にモジュール出荷量で世界シェア首位を達成した、CdTe 型太陽電池メーカーである。実は同社は、EPC事業者(EPCは、engineering(設計)、procurement(調達)、construction(建設)の意味)として現在、世界首位に立っている。さらに、大規模システム向けのO&M(operation & maintenance(運転管理と保守点検))や、使用済みの自社モジュールの回収・リサイクルも手掛けている。

 過去から現在までのFirst Solar社の売り上げ実績を見ると、売り上げの中心がモジュール販売から、システム販売(EPC事業)に大きく移行しているのが分かる。調査会社の米IHS社 IMS Researchは、2013年3月のランキングでFirst Solar社を世界トップのEPC会社とした。実際にFirst Solar社は、2012年に合計500MW以上のプロジェクトのEPC業務とモジュール提供を行っている。

 First Solar社のEPC事業者としての成功は、2010年にUtility Business(電力事業用)部門を創設したことから始まった。電力事業用セグメントは、州レベルの「再生可能エネルギー・ポートフォリオ基準(RPS:renewable portfolio standard)」を満たすため、2010年以降に大きく成長してきた分野である(米国の系統連系市場は、住宅用、非住宅用、電力事業用の三つのセグメントから成る)。調査会社の米GTM Research社によると、電力事業用セグメントは、2013年に米国市場全体の55%を占め、2.4GWになると予測する。この流れに乗って、First Solar社も成長した。