Googleに技術のみで挑む愚かさ

 まず以前にも取り上げたGoogle社の検索サービスと日本の産官学の検索エンジン開発の事例を考えてみます。
「Google独占にはさせない」--国産検索エンジン開発へ、産学官が一致団結
(外部サイト「CNET Japan」の2006年6月16日付記事へのリンク)

 この日本の検索エンジン開発事例は、産官学が協力して技術のブラッシュアップを行い、その技術でGoogle社の独占を崩そうというものですが、いくら優秀な検索エンジンを開発してもそれだけではビジネスにならないのはいうまでもありません。それなのに、優秀な検索エンジンさえ開発すればなんとかなるという考え方が日本ではまかり通っていたのです。

 “Google以前”は、検索という概念やそれを実行してくれるサービスが通常の人びとが手軽に利用できるものではなく、またその結果も満足できるものではなかったでしょう。Google社が出てきて初めて人びとは検索を日常的に行うようになったといっても過言ではありません。

 しかし、一度この利便性を知ってしまうと、もう元に戻れなくなります。こういった商品やサービスは数多く存在します。エアコンのない生活、自動車のない生活、新幹線のない交通機関などなど、数え上げればきりがありません。