海外が考案したビジネス・モデルで成功

 日本は明治以降、鉄鋼や造船、繊維、プラントや自動車、重電、家電、半導体などのビジネス・モデルを時代に合わせて取り込んできました。

 ところがそのビジネス・モデルはほとんどが海外で考案されたもので、日本は徹底的に独自にブラッシュアップしてきたのです。ライバルの先進国の企業にキャッチアップし、一時的にしろ、これらを圧倒してきました。戦後の冷戦時代は単純でした。世界の半分の自由主義経済圏を商圏とし、原材料を輸入して先進国に売ればよかったのです。

 ところが冷戦が終了し、発展途上国が日本式の家電や半導体、液晶、自動車などのビジネス・モデルを取り入れ、一般コンシューマ向け製品を作り始めると状況は一変します。日本式ビジネス・モデルは日本以外の新興国で力を発揮し、日本国内では様々な環境の変化で成立しにくくなりました。

 日本は拠りどころにしていたキャッチアップ・モデルを機能させられなくなり、特に新興国が日本企業のお株を奪うことでB2Cビジネスでの優位性がどんどん失われていきました。特に半導体や家電などの分野での低調ぶりが目に付きます。デジタル化やモジュール化が影響力を持ち、大量生産のための投資力が大きくものをいう分野が疲弊しています。