以前のコラム「ニッポン製造業に物申す(上)、B2 Cを諦めてはいけない」でB2C(企業対個人取引)ビジネスの必要性を「提言1:日本はB2Cビジネスをあきらめてよいのか?」として述べてきました。今回はこれをもう少し掘り下げ、昨今よく話題になる「ことづくり」とB2Cビジネスの深い関連性に触れ、ことづくりに着目して新しいB2Cビジネスを創造する場合の重要なヒントについてお話します。

 またこうした新しいビジネスの創造には、以前紹介した三宅秀道先生(東海大学)の提唱する「市場創造の4つの開発フェーズ」の考え方が応用できることを併せて紹介していきたいと思います。

停滞事業を立て直すたった二つの方法

 今のビジネス・モデルにもう伸びしろがない場合、停滞しているビジネスを立て直すのは、「リストラ」と「新事業創造」の二つしかありません。そしてリストラがほぼ完了している会社が増え、次の成長戦略が求められている今だからこそ「新事業創造」が大きな意味を持つと考えています。ところが今、電機などの今まで成功してきたB2Cビジネスが以前ほど機能しなくなり、それに代わるだけの新しいB2Cビジネスがなかなか登場していません。