2. Apple社がテレビ市場の激戦区に参入、ベスト10入りにはシェア4%獲得が必要

 液晶テレビ世界市場のブランド別シェアを見ると、韓国主要2社(Samsung Electronics社、LG Electronics社)が1位、2位を独占し、両社を併せたシェアは36%に達する。一方、日系メーカーは製品価格の高さに加え、莫大な財務問題を抱えており、業界リーディング企業としての実力を発揮しにくい状況にある。新技術開発も思うように進まず、主要4社(ソニー、東芝、シャープ、パナソニック)のシェア合計は26%にとどまっている。

 逆に、中国メーカーはじわりじわりとシェアを伸ばしている。TCL社、Hisense社、Skyworth社の中国主要3社を合わせたシェは約14%へと拡大しつつある。なお、ここ2年の液晶テレビ市場におけるメーカー別シェア・ランキングから見て、ベスト10入りのためには、年間販売台数が最低700万台、シェア4%以上を取る必要がある。

 Apple社は、2013年下半期のテレビ市場への本格参入を目論んでいると見られている。現時点で2013年の出荷台数は240万台、同年の世界の液晶テレビ通算予想出荷台数は2億1766万6000台と見られている。Apple社の2013年のシェアは、世界の1%という計算になる。一方、2014年は販売時期が現時点から見てまだ先になるため、新世代製品であるヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)や機能もさらにバージョンアップし、価格も買いやすい手ごろな水準になると思われる。

 2014年通年の液晶テレビ予想出荷台数が2億3255万5000台であることを考えると、2014年にベスト10入りを狙うなら、少なくとも4%以上のシェアを獲得する必要がある。言い換えれば、ベスト10入りには出荷台数は約930万台以上が最低条件となる。だが、Apple TV(セットトップ・ボックス)の年間販売台数が500万台という水準から見ても、短期間に年間販売台数900万台、そしてベスト10入りを果たすのは至難の技と言えよう。