Innolux、大型出荷数量が1220万枚とAUOを上回る

 世界最大の電子機器受託生産(EMS)企業である台湾Hon Hai Precision Industry社〔鴻海精密工業、通称:Foxconn〕グループに属し、TFTパネルの生産とモニター/TVの組み立ての両方を手掛ける台湾Innolux Display社(群創)は、2010年3月18日に台湾CMO社(奇美電子)と合併し、台湾ChiMei Innolux社(存続会社は群創だが社名は奇美電子)となった(略称はCMI)。しかし、筆頭株主の奇美グループが第2位株主の鴻海グループに実質的に経営権を引き渡したことから、同社社名は再びInnolux Display(群創電子)となった(社名変更は2013年1月9日付)。

 2013年4月の同社の売上高は409億900万NTドル(YOYで13.1%増、MOMで7.9%減)、同年1~4月の同社の累計売上高はYOYで8%増だった。同年4月の同社における大型パネル(10インチ以上)の出荷数量は1220万枚(YOYで9.6%増、MOMで0.8%減)。同年1~4月の同累計出荷数量はYOYで3%増だった。同年4月の同社の中小型出荷数量は3880万枚(YOYで23.3%増、MOMで2.8%減)。同年1~4月の同累計出荷数量はYOYで20%増。

 同社の稼働率は総じてAUOより高めの推移が続いている。G5以上のラインの全体稼働率は9割に達し、実質上ほぼフル稼働になっている。G8ラインは既存製品の需要増に加え、41.5/23.6インチのハイブリッド生産などで基板投入は5万枚/月を超えフル生産の状態。同年5月の41.5インチの生産量は同年4月に続き30万枚超である。一方で、41.5インチ生産のG8ラインへの移管によりG7.5ラインに若干余裕ができるため、50インチの増産を図る(50万枚/月から65万枚/月以上)と見ていたが、同年4月はややトーンダウンしていた。しかしながら、同年5月に入って再び増産モードとなり、現時点では当初想定線の60万~70万枚/月の生産がしばらく続きそうである。G7.5ラインは9割程度の稼働を維持する一方、G8ラインは投入自体を能力一杯の6万枚/月に引き上げている。41.5インチについては、同年6~7月ごろから4K2K(3840×2160画素)パネルの量産が始まるため、増量分の多くは当該パネルに充当されると想定される。