買わなければ、当たらない
正直なところ、このバイラル効果によるユーザー数の増加を「狙って実現」できるかどうかは分かりません。でも、大切なのは、それが起きる可能性を想定しながらサービスを構築していくこと、そして軸をぶらさぬ運営で着実にコアユーザーを育てたことでしょう。
つまり、狙っても実現できないかもしれないけれど、最初から想定して準備していなければ口コミは起こらないということです。「買わなければ、当たらない」宝くじのようなものかもしれません。今後ソーシャル・メディアによるバイラル効果は、これまで以上に無視できないものになると思います。それを利用する準備をしていくことは、必須になっていくでしょう。
ここまでアプリが登場する前のボケてについて分析してきました。そこから二つの「ヒットの要諦」が見えてきます。
- その1:
- 「愛する」ことができる企画を考え、
わかりやすく明確な目標を持って運営する! - その2:
- 当初の目標の軸をぶらさず、
地道にユーザー目線のサービスを継続せよ!
前述したように、いずれの要諦も言葉にすると至極当たり前に見えますが、それを実行し継続することはとても難しい。特に大企業では、とがった製品やサービスを企画しても、関わる関係者が多いだけに「愛」を持ち続けることがなかなかできない現状があるかもしれません。企画者の思いはもちろんのこと、当初の企画が持つ「とがった部分」を削ることなく継続できるような開発プロジェクトの進め方とチームや組織づくりが必要でしょう。
次回は、パソコン向けのボケてが構築した土台の上に、いかにアプリ版ボケてを積み上げたか。そして、開発チームをどのように運営したかを明らかにしていきたいと思います。これらにも、かなり興味深いヒットの要諦が隠れているのです。
掲載当初の記事本文を一部削除しました。本文は修正済みです。 [2013/06/20 16:30]