ソーシャル・メディアとの連動機能を重視

 写真とボケの面白さを友人同士で共有することが目的ですから、もちろん「LINE」や「twitter」、「Facebook」のようなソーシャル・メディアとの連動機能も備えています。見出したら止まらない面白さがあり、夢中になって見てしまう、魅力的なコンテンツが溢れたサービスです。ついつい自分が笑った「ボケ」を友達と共有してしまう面白いコンテンツが無数にあります。

 ユーザー参加型のお笑いWebメディアとしては日本最大級の大きさを誇ります。お題となる写真の投稿数は約36万件、ボケの投稿総数は約750万件。2013年3月時点で、パソコンやスマホ・タブレット向けのWebサイト、アプリを合わせた月間ページビューは1億件を突破しており、その中心はスマホ・ユーザーです。

スマホ版ボケてのアプリ・インストール数の推移。
[画像のクリックで拡大表示]

 ちなみに、分野が異なるので単純には比較できませんが、日本最大級の料理レシピ・サイト「クックパッド」のレシピ投稿数は2013年1月時点で138万件超。今をときめくスマホ向けサービス「LINE」のアプリが、公開から100万本のインストール数に要した期間は約3カ月でした。この数字と比較すると、ザックリとボケてのユーザー獲得のスピード感とサービスの規模感を理解していただけるかもしれません。

 ボケては、元々がパソコン向けのWebサービスでした。スマホ向けのアプリを投入したことで飛躍的にユーザー数を増やしたわけですが、アプリにボケの投稿機能を加えたのは2013年4月のこと。それまでは、ボケと写真の閲覧機能だけで、ここまで紹介した数字の伸びを実現したことになります。

 ボケての運営企業は、オモロキというベンチャー企業です。創業者は、現在も代表を務める鎌田武俊氏。日本テレビ放送網の出身で、2010年には熱海市の市議会議員に歴代最年少で当選した人物です。

 日本テレビを退職後、2007年12月にオモロキを創業した鎌田氏が目指したのは、面白さと驚きを利用して、みんなが楽しめるコンテンツ・サービスを作り出すこと。小さいながらも新しい価値を提供する。その理念の下、「面白い」と「驚き」を組み合わせた造語を社名にしました。

 ボケての企画が生まれる根底には、「テレビとインターネットの融合」という哲学が流れていたようです。ボケては、鎌田氏と、同氏の大学時代からの友人でPerlプログラマーとして有名な和田祐介氏が企画・開発しました。和田氏は情報処理推進機構(IPA)の未踏ソフトウエア開発事業で準スーパークリエーターに認定された経歴を持ち、現在はオモロキの取締役兼CTO(最高技術責任者)を務めています。