台湾の前工程ファウンドリでは、TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing 社)の3013年4月の売上高が、YOY(対前年比)+23.5%、MOM(対前月比)+13.5%の500億7100万NTドルと、ドイツ銀行(以下、「当社」)の予想線(MOM+8~+10%)を上回った。上振れ要因は、ミドルあるいはロ-エンドのスマ-トフォン向け需要が想定を上回っているためである。

 TSMCは、2Q(第2四半期)と3QともにQOQ増収基調を継続し、28nmプロセス全体の売上高に占めるhigh-k/メタル・ゲ-ト採用製品の割合が増加し、利益も尻上がりに増加すると予想している。2Q売上高の事前予想(1540億~1560億NTドル)達成に必要な5~6月の売上高は、1カ月当たり519億6400万NTドル(MOM+4%程度)となる。

UMCは1~4月累計売上高がYOY+7%

 UMC(United Microelectronics社)は、102億8100万NTドル(YOY -0.8%、MOM+7.1%)と、当社の予想(MOM+6~+8%)範囲内だった。 2Q売上高の事前予想(QOQ +12~+14%)達成に必要な5~6月の売上高は104億~107億NTドル程度/月(MOM+1~+4%)。当社では5月の売上高をMOM+1~+3%、2Q売上高についてはQOQ+14%と予想している。下期には同社の28nmプロセスの歩留まりは、50~60%水準への改善を想定するが、そのレベルに達しない場合は、TSMCとGLOBALFOUNDRIES社に水をあけられるリスクがあると見ている。

 UMCは、中国蘇州に200mm工場を擁するHe-Jian Technology(和艦科技) を子会社にする。He-Jian Technologyは元々同社の中国進出のために設立された会社と言われている。当時は台湾当局が台湾半導体メ-カ-の中国工場進出を禁止していたため、設立当初は「現地企業」として運営されていた。