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HOMEものづくり技術の国、ニッポンの挑戦 > 発想の転換を生む「デザインエンジニア」のススメ

技術の国、ニッポンの挑戦

発想の転換を生む「デザインエンジニア」のススメ

学生たちが挑んだ、斬新なアイデアの創出(第1回)

  • 高野 敦=日経ものづくり
  • 2013/06/03 00:00
  • 1/4ページ

 「デザインエンジニア」と聞いて、その仕事の中身が思い浮かぶだろうか。デザイナーでもエンジニアでもなく、その中間の立場でデザインと技術の両方を洗練させる。そんな人材を重視しているのが英Dyson社だ。同社は、日本でなじみの薄いデザインエンジニアの存在を広めるべく、工学系や工業デザイン系などの学生を対象としたワークショップを実施している。

 2013年4月、その取り組みに次代のものづくりを担う東京大学と東京芸術大学の学生たちが挑んだ。デザインエンジニアの役割とは何か、学生は、その哲学をどう消化したのか。学生たちの挑戦は、斬新なアイデアの創出に悩むプロの技術者にも新しい発想の気付きを与える大きなヒントになるだろう。

10:30a.m. 「衝突を恐れて意見を引っ込めるな」

 新学期を迎えてサークルの勧誘活動が本格化していることもあってか、土曜日にもかかわらず東京大学の駒場キャンパスには学生の姿が多い。そうした中、一部の学生は、他の学生とは明らかに違う方向に歩を進めていた。正門から入って正面の「1号館」。その2階にある「製図室」(167教室)に吸い込まれていく。そこがワークショップ「Dyson Engineering Lecture & Workshop」の舞台になっていたからだ。

 このワークショップは、Dyson社が「デザインエンジニア」の役割と、その哲学の重要性を伝えるために学生向けに開催している。今回、ワークショップを受講したのは、東京大学や東京芸術大学に所属する約50人の学生である。

 両大学の学生向けワークショップは、今回が2回目。Dyson社は他大学でも同様のワークショップを開催しており、その規模は徐々に拡大している。ほぼ全員が製図室に到着した段階で、学生たちは3~4人ずつ12のチームに分けられた。基本的に初めて顔を合わせるメンバーで、各チームに両大学の学生が混在している。

 ワークショップの開催に先立ち、イントロダクションとして大学側の取りまとめを担当した東京大学大学院 教授の村上存氏(工学系研究科機械工学専攻)がいくつかの“心構え”を学生たちに伝えた。その内容は、以下の通りである。

■チームで物事を進めようとすると、必ず意見の相違が出てくる。
■けんかは禁物だが、異なる意見が出てきたら意見同士を戦わせる。
■衝突を恐れて簡単に意見を引っ込めてはならない。なぜなら、皆が意見を引っ込めると最終的に無難なアイデアしか生まれない。
■日本人は意見を否定されると人格まで否定されたと思いがちだが、そうではないことを理解する必要がある。
■所属大学の異なるメンバーが議論し、その違いを乗り越えることによって良いアイデアが生まれる。

 学生たちは、村上氏の説明を神妙に聞いている。チーム活動の大変さに思いが至ったのか、自然と製図室内の雰囲気が引き締まってきた。

村上氏が学生に留意事項を伝える
村上氏が学生に留意事項を伝える

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