無料通信サービス「LINE」が爆発的に流行っている。日本生まれのアプリがこれほどの大人気を得るのは久々だ。LINEの登録者数は、サービスが始まってからわずか1年10カ月ほどの2013年4月30日には、ついに1億5000万を突破。海外での認知度も高まっている。

 LINEはこのまま世界で普及していくだろうと考える人も少なくないかもしれないが、実は、LINEの強敵といえる競争相手も現れてきている。中国発のWeChatだ(中国インターネット通信大手Tencentが提供するサービス。中国語では「微信」、文字通り、微少の文字数の手紙という意味。WeChatはその英語名)。WeChatのサービスは多数の国で展開されており、その登録者数は2013年1月の段階で既に3億(海外4000万)を超えている。今回は、WeChatとLINEのそれぞれの機能や特徴を比較し、今後の行方について考えてみる。

WeChatとは

 2013年初めごろ、北京にいる友人へメールをしてから数日経っても返事がないので、電話をしたら、「あまりメールを見ていない。いつも微信を使っている。WeChatに入ってね…。それが便利だよ」と言われた。

 早速、自分のスマートフォン「iPhone」からWeChatアプリを検索して、インストールした。試したら、ショットメッセージ、写真共有、音声の共有(Push To Talkのような機能)があり、確かに便利だ。文字より音声の方が伝えやすいことも少なくないので、音声によるメッセージの共有機能はありがたい。しかも、その音声を多人数から成るグループでも共有できるので、人気になっているそうだ。

 そうした通信や情報共有の機能だけではなく、ソーシャル的な機能も揃っている。WeChatでは、「モーメンツ」「連絡先の追加」「Look Around」「シェイク」といった機能が設けられている。