前回は、Smart Structure Management(SSM)の概要を紹介した。これに続いて、今回はその詳細手順について述べる。SSMでは、製品構造と評価体系の関係性を表すSRM(Structure Relation Matrix : 構造関係表)というツールを使用する。SRMは構想設計時に作成し、製品構造と評価体系・項目の練り上げに使用するのである。では、前回同様DTC(デロイト トーマツ コンサルティング)の例を引きながら紹介していく。

評価項目(案)の記入

 まず、図1で示す箇所に評価項目(案)を記入する。また、それぞれの評価項目の優先度を記入する。個々の優先度は、製品コンセプトとの関連性や製品・設計仕様書への記述レベル、問題発生時の影響の大きさ、そして問題発生確率の視点で決定する。なお、評価体系の詳細化や評価項目の具体化は以降の手順で練り上げていくため、その時点で記入できる案を記入すればよい。

図1●評価項目(案)の記入
図1●評価項目(案)の記入
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 次に、図2で示す箇所に製品構造(案)を記入する。最初に記入するタイミングは、先に述べたとおり構想設計時点であり、全てのモジュール・部品構成が確定しているわけではない。したがって、その時点で見えている製品構造の案を記入すればよい。さらに、それぞれのモジュール・部品の新規度を記入する。新規度は、流用の有無や設計標準の有無、他社比較の視点で決定する。

図2●製品構造(案)の記入
図2●製品構造(案)の記入
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