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北川 史和氏(野村総合研究所 上席コンサルタント)<上>

日本メーカーは甘かった、「地産地消」に進路を取れ

日経エレクトロニクス
2013/06/04 00:00
出典:日経エレクトロニクス、2010年6月28日号 、pp.41-47 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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 日本メーカーが新興国市場の攻略に本腰を入れている。中国やインド、東南アジア、南米といった経済成長が際立つ新興国で生き残りを懸ける構図だ。では、新興国市場での地位を獲得するために日本メーカーは何をすべきか。
 新興国戦略の重要性を記した『脱ガラパゴス戦略』(共著、東洋経済新報社)を2009年に出版した、野村総合研究所の北川史和氏は、「アジアを中心とする新興国の地理的な距離の近さが、制度や文化も近いという思い込みにつながった」と指摘する。現地メーカーと連携する「地産地消」の経営スタイルがカギという。

きたがわ ふみかず 1967年生まれ。1992年に北海道大学 農学部卒業。1994年に米University of Wisconsin-Madison 修士課程修了後、野村総合研究所入社。専門は、グローバルに展開する製造業の戦略コンサルティング、新規事業開発など。主な著作に『脱ガラパゴス戦略』(共著、東洋経済新報社)など。

 これまで日本メーカーは、海外展開での「現地化」を甘く見ていた。先進国での成功体験もあって、「新興国でも日本の製品をそのまま売れば、買ってくれるに違いない」という読みで市場攻略に取り組んでいた。

 新興国に打って出るための人的リソースも足りなかった。バブル崩壊後に続けたリストラで、新興国と先進国向けの開発を両てんびんで進められるほど人材が残っていないという実情がある。世界第2位のGDPを持つ日本で製品を投入していれば、それなりに収益が上がる。それを捨ててまで、新興国に出ていくのか、という恐怖心もあったのだろう。

地域ナンバーワンを目指せ

 もう一つ、大きな問題がある。現在成長しているアジアの新興国との「地理的な距離」が近いことだ。

 普通は「地理的に近い方が、攻略しやすい」と考えがちである。「制度や文化的な距離」も、同じように日本に近いと思い込んでしまうからだ。ところが、成長している新興国のほとんどは、地理的には確かに近いが、文化や制度が日本と違う点に特徴がある。

 この思い込みに日本メーカーの落とし穴があった。むしろ、地理的にも制度的にも遠いと考えることができた欧米企業の方が、現地化は早かった。自社での取り組みは難しいと最初からあきらめて、現地の提携企業や人材に任せられたからである。

 日本メーカーの新興国攻略では、その思い込みをやめて、「地産地消」の経営スタイルに集中することがポイントとみている。名前が挙がっている新興国のほとんどは、日本と同じか、それ以上の人口を持つ。それぞれの国や地域でナンバーワンになることが、グローバル・トップへの近道だ。

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