「信長の野望」が30周年を迎え、IPの育て方の大事さを感じた
――「信長の野望」が30周年を迎えます。
襟川氏:2013年内に30周年を記念したシリーズ最新作を出したいと思っています。春以降、30周年の盛り上がりを作っていきたいと思っています。みなさん是非お楽しみにしていてください。
歴史シミュレーションゲーム「信長の野望」は、1983年にスタートしたのですが、その次に90年代にインターネットを使ったネットワーク対戦型「信長の野望Internet」を作りました。これが高いご支持を得て、郵政大臣賞を1998年にいただいたんですね。その後、2003年にMMORPGとして、「信長の野望Online」のサービスをスタートし、今年は10周年を迎えます。
また、2年前にソーシャルゲーム「100万人の信長の野望」のサービスを開始しました。翌年には、ネコ武将が活躍する「のぶニャがの野望」が生まれました。そして2012年にポケモンさんとコラボレーションした「ポケモン+ノブナガの野望」(販売はポケモン)では、お子さんとお父さんが一緒に楽しんでほしいという思いをこめて制作しました。さらに、今年1月には、秋元康さんのAKB48とコラボした「AKB48の野望」というソーシャルゲームをサービスインしています。これが大人気でして、アクセス数が増えすぎて、サーバーを5倍に増設したほどです。
このように「信長の野望」というIPを立ち上げて、それを一つのゲームジャンルに固定することなく、さまざまなゲームジャンルに広げて、マルチプラットフォームにも対応し、コラボレーションを積極的に実現する。IPをただ持っているだけではなくて、大切に展開してきたというのが、お客様が「信長の野望」を30年間支持してくださっている大きな理由だと思っています。
こうしたIPの展開を「真・三國無双」や「戦国無双」、ガストの「アトリエシリーズ」、テクモの「NINJA GAIDENシリーズ」や「DEAD OR ALIVEシリーズ」などに応用していきたいと思っています。ゲームビジネスは、大きく変わりました。
1983年当時ならゲームを作って、それを売ればよかったのですが、社会の中でゲームの占める比重が増し、メディアとして大きな影響力を持つようになりました。大きなメディアになればなるほど、ビジネスチャンスも大きくなっていきます。ですから、新しいIPを創造するというだけではなく、持っているIPを展開するという力も重視していきたいと思っています。これは、「信長の野望」が30周年を迎えて、非常に強く感じたことです。
――コラボレーションする相手も選ばなければならないのでは?
襟川氏:そうですね。ポケモンさんの石原恒和社長、AKB48総合プロデューサーの秋元康さんも「信長」のファンでいらっしゃいました。私も、ポケモンやAKB48のファンですし、リスペクトしていますから、そういう共通認識があるとベストだと思います。
ファンの方がいろいろなところにいらっしゃって、親しみを感じてくださるというのは、IPが持つ資産ということですよね。それによって、また新しい展開ができて、「えーっ!信長と××が!!」とファンがびっくりしていただけるようなことを、どんどんやっていきたいですね。海外についても、台湾や中国、米国などで、コラボレーションを実現してみたいと考えています。
――ありがとうございました。