親子3世代で楽しめるエンタテインメント

最後に2013年の展望を教えてください。

鶴見氏:まず注目しているのは、ソーシャルゲームの人気タイトルが、ブラウザベースのカード系から、ゲーム性の高いネイティブアプリに移行してきていることです。

 これは家庭用ゲーム機で長年本格ゲームを手がけてきた、セガのノウハウが生かせるチャンスです。

 また、スマートフォンのスペック向上により、ソーシャルゲームの制作費が急上昇しています。現在は、4000~5000万円程度が平均で、これは1990年代半ばごろのセガサターン時代の家庭用ゲーム機と同程度でしょうか。この規模になると、個人ベースではなかなか参入できません。ここでも、家庭用ゲーム機で億を超える大型タイトルの制作費をコントロールしてきた経験が活用できる。ソーシャル市場には追い風となる条件がそろっているので、より力を入れていきます。

ソーシャルゲーム以外では?

鶴見氏:セガが長年強みとしていたのはコアゲーマー向けのタイトルです。2013年は、そこに加えて、親子3世代で楽しめるエンターテインメントを積極的に提供していきます。

 今夏には横浜みなとみらいに英国の国営放送局BBCと協業で、地球の素晴らしさを映像だけでなく、五感すべてで体感できるテーマパークを立ち上げます。定期的にコンテンツを取り替えることで、何度も親子で足を運んでもらえるテーマパークにしていきたいと考えています。

 アーケードでは懐かしいスマートボールをデジタルと融合させた「ホルカ×トルカ」をリリースします。これもまさに親子3世代でわいわいと遊べるエンタテインメントです。さらに30~40代を中心に長く親しまれている「北斗の拳」のコンテンツを使用したメダルゲームにも期待しています。また、近年残念ながら右肩下がりになっているアーケード施設ビジネスでは、アーケードゲームだけにはこだわらず、親子3世代で楽しめる時間・空間・サービスの提供を可能にした新業態ビジネスにチャレンジし、少しでもアーケード施設ビジネスを右肩上がりにできるよう努力していきます。

 家庭用ゲームに関しては、ゲームだけで完結せず、アニメ化やワールドワイドでの展開など、横に広がっていく展開を積極的に行っていきたいですね。

ありがとうございました。

今夏にオープンする新テーマパークのイメージ。親子3世代で楽しめる新たなスポットとなりそうだ
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「ホルカ×トルカ」
ボールを発射して地中に埋まっているお宝の発掘を目指すメダルゲーム。シンプルながら、ボールの動きに合わせて映像がリアルタイムに変化し、飽きさせない工夫が豊富
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「北斗の拳 BATTLE MEDAL」
「北斗の拳」をモチーフにしたメダルゲーム。アタリ演出ではインパクト抜群の巨大なラオウがプレーヤーを驚かせる
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