文脈によって情報を整理

 「Teamcenter」のベースとなっているコンセプト「HD(High Definition)-PLM」では、ユーザーに情報を提示する際に、「ユーザーの立場」「設計対象の状況」「業務の状況を基準に情報の選択処理や整理を実行する。「これによって、ユーザーそれぞれに、その時点での仕事に必要十分な情報を最も適当な形式で提示する」(米Siemens PLM Software社)。

 例えば、設計者がクランクシャフトの回転のブレ状況を確認するには、クランクシャフトに直接接触しない部品の情報も必要になる。一方、生産技術者が組立順序などを検討する際は、クランクシャフトに直接組み付く部品の情報がまず必要だ。

 このように、ユーザーの立場によって情報をたぐっていくときの観点が異なることを前提に、情報の検索や提示の方法を変える。ユーザーに提示する情報は、3Dグラフィックス画面上で分かりやすく表示する(図2)。

図2●きめ細かな情報提示を可能に
図2●きめ細かな情報提示を可能に
「Teamcenter」(米Siemens PLM Software社)のユーザー・インタフェース機能「Active Workspace」の画面。3Dモデルを含むさまざまなデータの検索・表示機能を、ユーザーごとに調整して利用できる。
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