サイエンスジョーク 笑えたあなたは理系脳、小谷太郎著、1,365円(税込)、単行本、192ページ、亜紀書房、2013年2月
サイエンスジョーク 笑えたあなたは理系脳、小谷太郎著、1,365円(税込)、単行本、192ページ、亜紀書房、2013年2月
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 おもしろい本を見つけた。
 ジョークを紹介しているのだから本来はおもしろいはずなのに、読み手によってはおもしろく感じない可能性のある本。おもしろいんだか、おもしろくないんだか、よく分からないおもしろい本だ。

 載っているのが科学をネタにしたサイエンスジョークなので、読み手にある程度の科学知識が必要となる。笑えるあなたは「ある程度」を超えている理系脳、笑えないあなたは文系脳、と分類してしまうリトマス試験紙のような本なのだ。

 とはいえ、理系脳か文系脳かテストを受けさせられるのは、気持ちのよい読書とはいえない。著者の小谷氏は、選りすぐりのジョークを引用したあとに、それぞれ2ページから5ページの解説を加えて、単なる脳テスト以上の付加価値を提供している。
 笑えなかった読者には、そのジョークがなぜ面白いかを解説し、笑えた読者にも、背景となる科学知識を深掘りして解説してくれるのだ。

 コンビ名は忘れたが、会場のお客さんの笑いが少ないとき、「いまのが、どうしておもしろいかというとー」と、ギャグの解説をする漫才を見たことがある。
 誰でもすぐ分かる一般ウケするネタと違い、前提となる知識や論理を知っていなければ笑えないジョークは、やはり解説が必要なのだろう。