対話での気づきがイノベーションのキッカケに

 主催者には、イベントの後も仕事が残っています。それは、参加者への「フィードバック」です。

 当日の様子やアウトプットを基に、その「場」がどんなものだったか、どのような対話がなされたのかを、もう一度共有するのです。当日の写真や内容をまとめた資料を作成し、メールやWebサイト、SNSを使って参加者と共有するようにしています。「社内失業家ふぇ」では、話し足りない参加者用にいつでも対話を深められる場としてFacebookのグループを開設しました。

 もちろん、イノベーションは会議室やソーシャル・メディア上の議論だけでは生まれません。開発やマーケティング、営業などの現場での活動があって初めて生まれるものです。それでもダイアローグ・イベントを開催する理由は、そこで出合った人や気づいたこと、そしてアイデアを、参加者の仕事や日常生活といった現場での活動に活かしてもらえればと思っているからです。

 多様な思いを持った人々による互いを尊重した対話、それを導くテーマやゲストの先進的な取り組みの話、予定調和を廃して即興性を組み込んだ進行、スタッフが協力してよい「場」にしていこうというおもてなしの気持ちをできるかぎりそろえることが、イノベーションのキッカケになるのだと信じています。

 ダイアローグ・イベントは、それを私たちに実感させてくれるとても大切な場なのです。みなさんも機会があったら、その世界を一度のぞいてみてはいかがでしょうか。