私がこのお二人に注目するのには理由があります。三宅先生は「新しい市場のつくりかた」で以下の市場創造の四つのフェーズを提唱しておられます。

1.問題開発
2.技術開発
3.環境開発
4.認知開発

 日本メーカーは、今まで技術開発ばかりやってきたわけで、1、3、4のフェーズを意識的にないにしろ軽視してきた感は否めません。

 そして、新しい市場の商品やサービスは、この1、3、4のフェーズから生まれることが多くなっていると感じているからです。詳しくは三宅先生の著書を是非読んで頂きたいのですが、この1、3、4のフェーズをどう扱うかがこれからの日本の鍵になると思っています。

 簡単に各フェーズを説明してみましょう。

 まず1の問題開発のフェーズです。人が口にする“問題”というのは、全て社会的な問題であり、人が問題と捉えそれを認識しないとそこには問題は存在しないことになります。

 少し禅問答のようですが、具体例を考えてみましょう。