どうも技術者は自分の世界に閉じこもり過ぎる傾向にある。それが日本の停滞につながっている気がする。自分の興味としての技術、金儲けの手段としての技術だけでなく、世界を変える技術を生み出しているように思う。ただ、その世界が今に、または今の延長にとどまっているように見える。この20年は劇的に変わった。1993年は「Windows 95」が現れる以前である。インターネットも大学人などの一部に利用が限定されていた。携帯電話機もレンタル制で、普通の人には憧れであった。インバータ・エアコンが急速に普及し出したのも、この頃である。1992年のバブル崩壊の後、20年で大きく主役が変わった。我々は、この変化の生き証人である。21世紀考、長い未来でなくてもよい。既に21世紀、これから20年後も21世紀。今までと同等の変化でも大変化。過去のコラム、一巡目では大きな技術変化を予測した。もしかしたら、もっと大きく変わるかもしれない。

 技術が文化を作る、または文化が技術を受け入れるなら、未来の社会の予想抜きでは技術予測はできない。私には大きすぎる挑戦かもしれないが、まずは12回、二巡目としてチャレンジしてみよう。ご意見を頂ければ幸いである。