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中国で人気の対談番組(1)美人キャスター陳魯豫

永井麻生子=おあしすランゲージラボラトリー代表
2013/02/04 00:00
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今回紹介する書籍
題名:魯豫有約之财智过人
編者:鳳凰書品
出版社:訳林出版社
出版時期:2012年6月

 今月は香港フェニックステレビで1998年から放映されている「魯豫有約」という対談番組をまとめた書籍をご紹介したい。魯豫というのはこの番組の司会者である陳魯豫の名前だ。陳魯豫は1970年北京市生まれ。中国伝媒大学(伝媒とはメディアのこと)外国語学部を卒業し、2000年には北京市の英語オリンピックで優勝して一躍有名人となった。その後中央電視台に入社し「芸苑風景線」という番組を担当した後、1996年に香港フェニックステレビに移り、1998年から自らの名前を冠した「魯豫有約」を担当する。番組名は日本語にすると「魯豫とデート」ぐらいの感覚か。

 この番組の内容を収めた本は20冊以上出版されているが、今回取り上げるのはビジネスに関する人物との対談ばかりを収めた「財智過人」という巻。ビジネスマンとの対談と言っても堅苦しいものではなく、全体的に少し司会者は若いが日本の「徹子の部屋」のようなイメージと言えばいいだろう。番組の副題に「あなたの物語を話して」と付いているぐらいだから、理論的な話より対談相手の人柄を映し出すような話題が多い。

 本書では以下の人物との対談を紹介している。

 李彦宏(中国最大の検索エンジン「百度」のCEO)、張朝陽(検索エンジン、ブログ、微博などを運営する「捜狐」のCEO)、鄭明明(美容の母と呼ばれる美容業界の有名女性経営者)、張蘭(「俏江南」というレストラン・チェーンの女性社長)、江南春(広告会社社長)、パーリンホウ(80后)のIT起業家4人、「富二代」と呼ばれる事業の継承者4人、楊百万(国債の売買で巨万の富を築いた「株の神様」)、王晨(雑誌社社長)、劉磊・帥学軍(2003年戦争中のイラクに赴き中華料理屋を開いた人物)。

 人気番組だけあって、どの対談も一様に興味深い内容になっている。

 最後に収められた劉磊、帥学軍の二人に関しては筆者は寡聞にしてその存在を知らなかったが、本書を読み大変興味を覚えた。2003年3月にイラク戦争が始まった際、劉磊はそこに「ビジネス・チャンス」を感じ、7月に香港、オマーン経由でバクダッドに降り立つ。そこで彼は中華料理店を開いた。最初のうちはまず暑さにやられ、衛生当局の取り締まりにあったり、近くで爆撃があったりと大変な苦労をするが、しばらくすると一日の利益が3500米ドル程度まで上がるようになりいったん帰国する。そこで劉磊は「金儲けはどうでもいい、戦争というものを見てみたい」という帥学軍と知り合い、ともに再びバクダッドへ渡る。そこで彼らは再びビジネス・チャンスをつかむ。フセイン政権の存続中はイラク国内での酒類の売買はできなかったが、政権崩壊後は地域によっては酒の売買も可能になった。そこに目を付けた彼らは酒の販売で財をなす。劉磊が最初に出国した時には3500米ドルしか持っていなかったが、2004年8月に帰国するときには308万人民元(約37万2000米ドル)になっていたというのだから一年で約100倍に資本を増やしたことになる。まさに劉磊の感じたビジネス・チャンスをものにしたのだ。では彼らはその資金を使って今何をしているのだろうか。さらに大きなビジネスに投じて大富豪になっているのだろうか。そう思いつつ本書を読み進めていくと、なんと彼らはその後アフリカのコートジボワールに渡り農業をしているという。彼らは第2の人生に「農夫」という選択肢を選んだのだ。彼らの農場は順調に耕地面積も増やし順調に伸びているという。

 来週はパーリンホウ(80后)の若き起業家たちとの対談を取り上げたい。

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