日経ものづくり

デジタル・モックアップ・ツール

部品の多い製品の検討に有効 生産技術面の用途での利用も拡大

木崎 健太郎=日経ものづくり
2012/12/27 10:00
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デジタル・モックアップ(DMU)は、製品の設計内容を
検証するためのコンピュータ内の仮想的な試作品。
DMUツールは、3D-CADに比べて操作が容易で、
多くの部品で構成する製品の検証もやりやすい。
生産技術面での検討機能も充実し、
VR(仮想現実感)技術の応用も始まった。

 コンピュータの中の仮想的な試作品、いわゆるデジタル・モックアップ(DMU)は、部品間のクリアランスが十分あるか、製品が無理なく動作するか、容易に組み立てられるかといったことをデザインレビュー(DR)などの場で検証するのに用いる。このような検証目的で、3D形状処理技術を基に開発されたのがDMUツールである(一覧表)。

一覧表●デジタル・モックアップ・ツールの例
製品名開発会社概要Webサイト
3DVIA Composer仏Dassault Systemes社XMLベースの軽量データに基づくビューワ。技術イラストや文書作成、3Dアニメーションによる組立指示書などの作成が可能。別モジュールとして、動的/静的な衝突検出機能を備える「3DVIA Check」、部品やユニットの組み付け経路や分解経路を自動的に算出する「3DVIA Path Planning」がある。ダッソー・システムズ
DIPRO VridgeRデジタルプロセスデータ量とメモリー消費量がCADの1/20になる圧縮技術を用いており、部品数の多いアセンブリも扱いやすい。デジタルプロセス
MREALキヤノンヘッドマウント・ディスプレイ(HMD)を用いて、実風景の中に実物大のDMUを置いて見られる技術(Mixed Reality)によるシステム。キヤノンITソリューションズ
PTC Creo View MCAD米PTC社部品やユニットの干渉、接触、クリアランスのチェック、インタラクティブなアニメーションの作成、製品製造情報(PMI)のマークアップなどの機能を持つ。電気設計向けの「PTC Creo View ECAD」と同じ枠組みで動き、連係が容易。PTCジャパン
R-3D電通国際情報サービス「JT」専用のビューワ。形状を確認する機能に加えて、BOM情報や工程情報を扱うことができ、工程設計と帳票作成の機能を持つオプションがある。電通国際情報サービス
Teamcenter Lifecycle Visualization米Siemens PLM Software社PLMツール「Teamcenter」と連係動作でき、データ形式は「JT」を用いる。データの管理、検索、準備などはTeamcenterの機能を利用できる。クリアランス・チェック、人体モデル(Jack)、組み立て/分解性検証、公差解析などのアドオンがある。シーメンスPLMソフトウェア
Vmech Simulatorラティス・テクノロジー制御ソフトの開発プラットフォームと接続し、ソフトによる動作の状況を見られる。3D表示にはXVLを用いている。ラティス・テクノロジー
VPSデジタルプロセス組み立て/分解、機構動作、干渉チェックなどの検証機能や、人体モデルなどの機能を持つ基本部(Digital Mockup)と、組立性評価と工程検討、ハーネス作成、組立アニメーション作成、制御ソフト開発支援などのモジュールがある。富士通
デジタルプロセス
XVL Studioラティス・テクノロジー軽量3次元データ形式「XVL」を用いたツール。複数部品間の干渉チェック、干渉結果のリスト出力、断面の2D/3D同時表示、干渉部の断面生成などの機能に加えて、工程編集機能を搭載。イラスト作成、差分検出、人体モデル、注釈編集機能などはオプション。ラティス・テクノロジー

 DMUツールでは、3D-CADで作成した3Dデータを読み込み、これをDMUとしてさまざまな検証機能を動作させる。3D-CADではカバーしきれない検証を可能にする機能を備えており、その代表的な例は自動車1台分といった部品数の多いデータを一括して扱う機能、多数のバリエーション製品を一度に検証する機能などだ。制御ソフトや組み込みソフトの開発ツールと連携して、ソフトの指示通りにDMUを動かすことで、ソフトの検証に用いる機能を持つものもある。さらに、設計検討に加えて、生産技術部門での工程設計や設備設計にも使われるようになっている。

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