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HOMEものづくり設計革新ものづくりプロセス改革の功罪 > 第1回:日本製造業のものづくり競争力の変化

ものづくりプロセス改革の功罪

第1回:日本製造業のものづくり競争力の変化

  • 三河 進=NECコンサルティング事業部
  • 2012/11/27 10:00
  • 1/1ページ

はじめに

 「曲がり角に立つ日本の製造業」

 このような言葉で、製造業について報じる記事を目にする機会が多い。本連載は、日本の製造業を取り巻くビジネス環境の変化、中でも特に製品開発とものづくりの海外シフトの動向や、業務プロセスの付加価値を高める方向性について考察し、製造業としての生き残りの課題や対策を提案していくことを目的としている。

リーマンショック、震災からどれだけ回復できているか

 まず、次の統計データを見てみよう。

 図は、財務省の企業法人統計から抽出した日本製造業の業種別の営業利益推移である。抽出条件は、規模1億円以上の企業の営業利益の総和を取ったもので、比較しやすいように指数化している(2006年10-12月期が1となるように指数化。これはリーマンショック前の数年間のうち、日本の製造業が比較的業績が良かった時期である)。

図1●業種別製造業の営業利益推移
(2006年度第3四半期を1として指数化)
財務省「法人企業統計」から筆者作成
(規模1億円以上で抽出)
[画像のクリックで拡大表示]

 図を見て、すぐに気づくことが2つある。

 1つめは、グラフが谷間のようになっている箇所、すなわち「リーマンショックによる業績落ち込みがどれだけ大きかったか」ということである。特に2009年1-3月期は、どの業種においても最も落ち込みが大きくなっている。中でも一番落ち込みが大きい業種は、情報通信機械器具製造業である。この業種には、コンピュータ関連に、携帯電話やテレビといったデジタル家電などのメーカーが含まれる。リーマンショックによる経済危機だけでなく、円高や新興国企業の台頭も、相乗的に影響しているのだろう。

 次に落ち込みが大きいのは、自動車・同附属品製造業である。これは、北米市場の需要縮小に伴い、自動車の輸出が大幅に落ち込んだことが原因とされている。いずれにしても、このタイミングが日本製造業にとって大きな転機となったことは間違いない。

 2つめは、この統計データの最も新しい四半期(2012年1-3月期)においても、各業種の回復は思わしくないということだ。金属製品製造業を除く5つの業種においては、指数基準時期(2006年10-12か月)の半分の水準にさえ回復していない。特に情報通信機械器具製造業の指数は0.08であり、いまだ1割にも満たない水準となっているのである。

 このように、データからは非常に厳しい現実が見えてくる。生き残りのための戦略を早急に立案し、実行に移す必要があることを認識せざるを得ない。

業務プロセス改革のポイントは実行フェーズ

 本連載では、前半に上記のような統計データを用いて業種別のビジネス環境の変化を分析し、その結果を踏まえて、今後、日本の製造業が進むべき方向性や強化すべき業務プロセスについて提言していく。
 後半では、最近の業務プロセス改革で特に注目されている「モジュラー設計」と「3D設計プロセス改革」について、それらの功罪や効果、課題について考察する。そして、最後に業務プロセス改革プロジェクトを成功させている企業の共通点についてまとめていく。

 業務プロセス改革は、企画に始まり、実行、評価~改善と進行する。筆者がこの中で特に重要だと考えているのは、実行フェーズである。企画フェーズは、コンサルタントの指導や各種の情報収集によりうまく作成できるだろう。しかし、実行フェーズに入ると、さまざまな障害にぶち当たり、目標が予定通りに達成できない企業が多いのである。このあたりを切り口に、これをうまく推進している企業の秘密について紹介していく予定である。

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