シェールガス革命とは何か、伊原賢著・吉田克己編集、2520円(税込)、単行本、192ページ、東洋経済新報社、2012年8月
シェールガス革命とは何か、伊原賢著・吉田克己編集、2520円(税込)、単行本、192ページ、東洋経済新報社、2012年8月
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 再生可能エネルギーの中で最も安定性とコストに優れている水力発電が発電全体に占める割合は、水資源に恵まれた日本でも約8%に過ぎない。風力発電や太陽光発電がこれから比率を高めたとしても、エネルギーの主役になる可能性はとても低い。

 さらに、太陽光の変換効率を向上させると、逆にパネルの製造にかかるエネルギーの産出/投入比率が悪化してかえってコスト高になるという「トレードオフの関係」があり、技術的限界が見えはじめている、とのこと。

 「電力の全量固定価格買い取り制度は愚策」とまで言いきっているのは、エネルギーのイロハもわきまえない政策に我慢できなかったからだろう。

 日本人にとって、いや全人類にとって、いかにエネルギーが大切であるか考えさせられる一書である。

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■著者紹介
浅沼ヒロシ(あさぬま・ひろし)
ブック・レビュアー。
1957年北海道生まれ。
日経ビジネス本誌、日経ビジネスオンライン連動企画「超ビジネス書レビュー」(2011年9月終了)のほか、「宝島」誌にも連載歴あり。
ブログ「晴読雨読日記」、メルマガ「ココロにしみる読書ノート」の発行人。
著書に『泣いて 笑って ホッとして…』がある。
ツイッターアカウント:http://twitter.com/syohyou