AUOの2012年9月の大型パネル出荷量はMOMで6%増

 台湾AU Optronics社(AUO)は、大型パネルの出荷数量が1180万枚と対前年比(YOY)で18.9%増、対前月比(MOM)で6.0%増。実需ベースでの生産を続けている同社も、実需回復に伴って稼働率の緩やかな改善基調が続き、その値は85%に達したと見られる。ガラス基板投入量は、第2四半期(2Q)の対前四半期比(QOQ)で14%増に続き、3QもQOQで10%増程度と2桁の伸びだったと見ている。2012年9月時点では3Qにおける同投入量はQOQで8%程度増を想定したため、実質上の上方修正となる。4QもQOQで横ばいから若干減程度の高水準の生産を続ける模様である。

 同社の同年9月の売上高は340億4100万新台湾(NT)ドル(YOYで9.2%増、MOMで0.1%増)とMOMではほぼ横ばい。連結ベースの売上高も359億5500万NTドル(YOYで9.2%増、MOMで2.4%増)とMOMで増収。3Qの連結売上高はYOYで4%増、QOQで8%増。同年1~9月の累計の連結売上高はYOYで4%減だった。

モニター用はMOMで1桁減

 2012年9月の同社の出荷量は、モニター用パネル全体で見るとMOMで1桁減、同年1~9月の累計ではYOYで1桁後半の減少とマイナス推移が続く。サイズ別では、20インチ以上のワイドパネルが合計125万~130万枚とMOMで若干の減少。9月は24インチと21.5インチがともに50万枚強と、最も出荷量の多いサイズとなっている。

NB用はMOMで横ばい

 ノートブックPC(NB)用の同社の出荷量については、2012年9月はMOMで横ばい、同年1~9月の累計はYOYで19%増と他社を圧倒し続けている。タブレット向けは25万~26万枚で、MOMでは9割増だが水準は低い。同年8月から出荷が始まるとみられていた米Apple社の「iPad mini」(7.85インチ、XGA)向けパネルは出荷が確認されず、同年9月にようやく若干の出荷が確認された。同社は蘇州(Suzhou)に専用のモジュールラインを設置済み。一般のNB用については、サイズ別に大きな変化はなし。

TV用はMOMで若干増

 テレビ(TV)用については、同社の推定合計出荷数量が2012年9月は300万枚と、MOMで若干増。しかし、同年1~9月の累計はYOYでは6%減と依然マイナス圏が続く。40/42インチは、合計で73万~75万枚程度でMOMで4割増。L8で生産している46インチが10万~11万枚で、MOMで3割増、55インチは7万~8万枚程度でMOMで3倍増。第6世代(G6)で生産する65インチは7万~8万枚とMOMで2割増。G7.5で生産する新サイズの50インチも、同年8月は20万枚に到達、順調に数量を伸ばしている。