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中村 修二 氏(青色LED開発者) <中>

なぜそんなこと知っとるんじゃ

浅見 直樹=日経エレクトロニクス編集長(当時)
2012/11/05 00:00
出典:日経エレクトロニクス、2001年9月24日号 、pp.77-80 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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青色LEDの開発者、中村 修二氏。同氏が日亜化学工業を提訴した直後に、日経エレクトロニクスがインタビューした記事を再掲する。日本の技術者に向けた、強いメッセージが感じられる内容である。(聞き手は当時、日経エレクトロニクス編集長だった浅見 直樹)

 ――中村さん自身,どんな気持ちで特許を出願していましたか。

 中村氏 全部,会社のためですよ。特許ですべて抑えて,他社が入り込める余地がないようにとの思いからです。今振り返ってみると,当時は本当に忠実な日本人のサラリーマンでした。特許の所有権がどうなるとか,深く考えていなかった。

(撮影:栗原克己)

 ――特許は会社のものでしょうか,発明者のものでしょうか。

 中村氏 発明者のものですよ。それが日本の特許法ですから。それに従うだけです。米国では会社のものになっています。そういう契約です。でも発明すればすごい対価をもらえる。それが日本と違うところです。

 ――米国にも特許法第35条のようなものはあるのですか。

 中村氏 そういった法律はないのですが,大学生でも特許の所有権に対する意識がすごく高い。僕もびっくりしたんですけど。ある修士1年生に宿題を出しておいたら,いいアイデアを持ってきた。だから「ノートに書いておけ。将来,特許を出すかもしれないから」って言ったんです。

 そしたら「特許はいつ出すのか」と質問してくる。逆になぜそんなことを聞くのか理由を尋ねると,「特許を出せば私にも権利が50%あるでしょ」と,しゃあしゃあと言う。どうしてそんなこと知っとるんじゃと思ったら,「大学に入るときに契約書があって,自分の権利が50%あるって書いてあった。それにサインしたから」だって。すごくしっかりしている。

 これは聞いた話だが,ある特許が成立してライセンス料が大学に入ってきたらしいんですよ。特許を見ると学生と教授の名前が5,6人書いてあった。だが,すでに学生たちは卒業し,あちこちに散っていた。彼らを探し出して,それぞれに金を振り込むのが大変だったらしい。つまり,米国では大学でさえ,特許の対価を発明者に還元するシステムが出来上がっているわけです。

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