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HOMEエレクトロニクス電子デバイスエディターズ・ノート > なぜAppleはインセルを採用したのか?

エディターズ・ノート

なぜAppleはインセルを採用したのか?

  • 田中 直樹=日経エレクトロニクス
  • 2012/10/19 10:07
  • 1/1ページ

 「これまでとは全然違う、異常ともいえる状況に業界は直面している」――。先日お会いしたディスプレイ・メーカーの技術者から聞いた言葉です。経営の話ではありません。技術トレンドの話です。

 ディスプレイのような電子部品はこれまで、競合する部品との比較において、コスト性能比で最も優れたものが機器メーカーに数多く採用され、主流となるのが普通でした。しかし、ここへ来て「異変が起きている」というのが、この技術者の指摘です。異変の一例が、この記事のタイトルです。米Apple社は最新のスマートフォン「iPhone 5」にインセル技術を採用しました。本格的な量産はiPhone 5向けがほぼ初めてという最先端の技術です。しかも、インセルに加えて、低温多結晶Si(LTPS)やIPS液晶といったハイエンドの技術をふんだんに使っています。

 ただ、これだけの先端技術を詰め込んだディスプレイですから、性能は高くても、すぐに優れたコスト性能比を実現するのは難しいはずです。それでも、単一機種での販売台数で他を圧倒するiPhoneの新製品に採用されたとなれば、「中小型パネルの主流の技術」ということになります。とても無視はできません。部品の技術動向をいくら知っていても、「Apple」「iPhone」「スマホ」の動向を知らなければ、技術トレンドを見誤るリスクがあるわけです。

 さて、Apple社のiPhoneが作ったともいえる現在の技術トレンドですが、これが今後も続くかどうかは分かりません。Apple社が今後も魅力的なヒット商品を出し続けられるかどうかにもかかってきます。新興国市場の盛り上がりを考えると、「1000元スマホ」のような端末に採用される技術が「主流」の座を取るようになるかもしれません。いずれにしても、電子部品の技術者や関係者にとって、最終製品の動向をウォッチすることの重要性が格段に高まっています。

 ここからは宣伝です。10月31日から毎年恒例のディスプレイ関連のイベント「FPD International」が開催されます。今回は「モバイルテクノロジー」との共同開催になっており、そのセミナーを通して、FPD技術だけでなくスマホやタブレット端末などの最終製品の動向(中国スマホ・セッション)や、その利用シーンの今後に大きな影響を与える給電・充電(ワイヤレス給電セッション)、近距離無線通信(NFCセッション)、機器間無線通信(M2Mセッション)などの技術動向を効率よく把握することができます。これらのセミナーが、より広い視野で技術トレンドを読み解くための一助となりましたら幸いです。

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主催 : 日経エレクトロニクス

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