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第6回 とにかくアメリカにかき集めろ!

久米 秀尚=日経エレクトロニクス
2012/10/26 00:00
出典:日経エレクトロニクス、2012年6月27日号 、pp.84-85 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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“変形デジカメ”と称されるカシオ計算機の「EXILIM EX-TR100」。誕生のきっかけは、あるデザイナーの悩み。デザイナーと技術者が互いの思いをぶつけ合いながら一つの製品を生み出すプロセスは、新製品開発の参考になる。全6回の開発物語の最終回である。

いよいよ開発の大詰めを迎えた“変形デジカメ”。製品発表も無事に終わり、あとは発売を待つばかり。そんな時、東日本大震災が起こる――

妥協できないレンズ

 残る難関はレンズ・ブロックだ。

「この部分は製品のアイコン(象徴)になる部分だから、妥協は絶対にできない」

 デザイナーの長山洋介(現・カシオ計算機 デザインセンター プロダクトデザイン部 第一デザイン室 室長)はきっぱりと宣言する。

「応えてやろうじゃないの」

 設計チームの闘志に火が付いた。レンズ・ブロックは、形もさることながら、斬新なデザインが施されている。透明な樹脂ケースの中に、幾つもの円形の部品が組み合わさって構成されていた。

「何か、時計っぽいね。クロノグラフの文字盤にそっくり」

カシオ計算機 羽村技術センター 研究開発センター 第二開発部 第22開発室の黒川智康氏

 設計チームの誰かがボソッと口にする。このつぶやきが、開発の道を開いた。幸い、カシオ計算機には時計事業部がある。だが、時計とカメラの事業部の間には基本的に接点がない。

「ちょうどいい人がいるよ」

 偶然にも、時計事業部からカメラ事業部に異動してきた人がいた。この橋渡し役を介して、時計事業部のノウハウを吸収した。加工も時計事業部と取り引きのあるメーカーにお願いしようと考えたが、コストがネックになる。そこで、カメラ事業部と付き合いのある加工メーカーと協力して、時計作りのノウハウを取り入れつつ開発することを決めた。

 この他、基板や電池のレイアウト、イメージ・センサや画像処理エンジンが発する熱を逃がす構造といった課題を、地道に解決していった。

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