新浪微博とQQからのヒント

 新浪微博は米国発のTwitterを手本に、QQは米国発のIMをベースに、それぞれ大成功した。新浪微博とQQの共通点は、中国のニーズに合わせて、「模倣+改良」で、さまざま機能を導入して、多様なアプリやサービスを提供できるプラットフォームを構築したことだろう。

 現在の微博はTwitterやFacebookの機能より、ソーシャル機能を持つポータルサイトへと進化している。QQも単純なIMの域を遥かに超え、ソーシャルやECの機能を持つポータルサイトとなっている。

 中国文化を深く理解し、その上で最新のインターネット・サービス技術をいち早く導入したことが、成功の要因と考えられる。インターネットの世界では、ソーシャル機能の発達に伴い、単純な技術主導の段階から、技術とその国のインターネット文化との融合の段階へ発展してきていると見られる。

 IT技術は、我々の生活に近づけば近づくほど、それぞれの国の文化との融合が重要になり、米国がリードするIT技術を改良して、各国に見合うような新たなものが生まれる可能性が高まると考えている。新浪微博とQQの成功はそれを証明したと思われる。しかし、日本では、Facebookより一歩先に日本で人気を博したSNSサイト「Mixi」は、逆に、Facebookの上陸で勢いが急速に落ちた。書籍のネット販売もアマゾンの独占状態になっているようだ。それはなぜだろうか。

 Facebookは中国でアクセスできないが、新浪微博とQQは海外でも登録すれば、自由にアクセスできる。海外にいる中国人は、Facebook、Twitter、新浪微博とQQのアカウントを同時に持つことが少なくない。それらの関連情報のシェアや使い方の比較は、ソーシャルメディア世界において、中国人ならではの楽しみの1つでもある。

 Twitterでもない、Facebookでもない、中国ならではの新浪微博とQQは、1つの改良型のイノベーションといえるかもしれない。Facebookが現状のままならば、中国ではもう必要ないだろう。