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写真◎新しい攪拌機で攪拌している様子。底にあったプラスチックボールがグルグル回りだす。村田氏はこの攪拌機を開発し、エディプラス(本社さいたま市)という会社を設立、代表取締役を務める。
写真◎新しい攪拌機で攪拌している様子。底にあったプラスチックボールがグルグル回りだす。村田氏はこの攪拌機を開発し、エディプラス(本社さいたま市)という会社を設立、代表取締役を務める。
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 『日経ものづくり』の人気コラムの1つに「多視済済」があります。優れた人物が多数いる様を表した「多士済済」よろしく、日経ものづくりの専門記者が独自の視点で選んだスグレモノを毎号紹介します。既に70近いスグレモノを取り上げてきましたが、読者の反響が最も大きかったのが、ある攪拌機です。その攪拌機とは…

 羽根のない攪拌機です。写真を見てください。用途に応じて色んなタイプがありますが、これは半球状の金属の下方と側方にそれぞれ3つずつ穴が開いていて、中でつながっています。これを回すと、遠心力により穴の中に入り込んだ水が側方の穴から放出され、同時に下方の穴から水が吸い込まれます。これに伴い、攪拌機の下方に竜巻状のうず流が発生するなど、撹拌流は隅々まで行き渡ります。

 その証拠に、水槽の底に小さなプラスチックボールを入れて攪拌機を回すと、プラスチックボールはスーと真上に上がり、半球状の金属に下から吸い込まれて横から出ていきます。羽根がないのに、間違いなく攪拌されている様子が自身の目で確かめられます。開発したのは、さいたま市にあるヤマテックの専務取締役、村田和久さんで、現在「M-Revo」として市販しています(販売は別会社になります)。