スマホ特許の売買相場が定着

 事件とは、2009年1月に破産保護申請し、その後資産売却を進めてきたカナダNortel Networks社が行った特許オークションだ。4日間にわたって行われた同社の特許約6000件のオークションで、スマホ事業関連の大手6社連合であるRockstar(米Apple社、米Microsoft社、米EMC社、スウェーデンEricsson社、カナダResearch In Motion社、ソニー)が45億米ドルもの巨額で落札し、対抗馬の米Google社を退けた。単純計算すると、特許1件当たりの価格が、なんと75万米ドル、約6000万円という高額の取引となった。このニュースは一般の新聞や経済誌で大きく取り上げられ、世界の知財関係者のみならず、企業のトップ経営者を驚かせた。

 そして、そのわずか2カ月後の8月に、Google社は125億米ドルで米Motorola Mobility社との買収合意を発表した。Android陣営の一翼を担うMotorola Mobility社の保有する登録特許約1万7000件、出願特許7500件という大きな特許ポートフォリオがGoogle社にとって魅力的だったと言われている。この買収では、特許1件当たり51万米ドル、約4000万円で、スマホ事業そのものも手中に収めたことになる。

 この2つの出来事の前年、2010年の11月には、Microsoft社が率いる企業連合が米Novell社の持つLinux関連特許882件を買収している。総額4億5000万米ドル、特許1件当たり51万米ドルとなる。Google社のMotorola Mobility社買収もこの辺りの相場を参考にしたのかも知れない、が詳細は定かではない。