性能向上に伴って、キャパシタの適用範囲は着実に拡大しています。象徴的なのは、マツダが2012年に発売予定の車両に搭載する減速エネルギーを回生するシステム「i-ELOOP」に、EDLCを採用することです( Tech-On! 関連記事3)。自動車分野以外では、再生可能エネルギーとの組み合わせも注目株です。

 下の写真、建物の入り口付近に太陽光パネルが設置されているのをご確認いただけますでしょうか。

 これは、東京農工大学の小金井キャンパスに設置されている、太陽光パネルとEDLCを組み合わせたLED街路灯です( Tech-On! 関連記事4)。注目していただきたいのは、太陽光パネルの取り付け角度。地面に対して垂直になっているのです。垂直にしているのは、落ち葉やゴミなどが積もらないように、メンテナンス・フリーを意識しているためだそうです。寒い地域では、雪が積もらない効果もあります。

 ただし、太陽に正対するように角度をつけた太陽光パネルに比べて発電効率は落ちてしまいます。発電量が小さいと、電力を蓄える際に内部抵抗の大きなLiイオン2次電池を使うと、電力損失の多さが目立ってしまいます。

 そこで活躍するのが、キャパシタなのです。内部抵抗はLiイオン2次電池に比べて格段に小さいため、低い電圧を印加しても十分に蓄電できます。内部抵抗が小さいという強みは、充放電を頻繁に繰り返す際にも有効です。“大容量の蓄電デバイスといえばLiイオン2次電池”と決めるのはまだ早そうです。