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 場所は英国のWest Ham駅。現在、熱戦が繰り広げられているロンドン・オリンピックで利用されている主要駅の一つで、開会式が行われたスタジアムや選手村、国際放送センターなどがある巨大な公園「Olympic Park」に向かう仮設通路の様子です。

 注目していただきたいのは、通路で光っている12枚のタイルです。実はこれ、踏むとLEDが点灯する「発電タイル」なのです。圧電素子を用いることで運動エネルギーを電気に変換しています。こうした技術はエネルギー・ハーベスティングと呼ばれ、注目を集めています。

 ただ、West Ham駅の事例で引っかかることがあります。オリンピックを運営するOlympic Delivery Authority(ODA)がニュース・リリースで「オリンピック開催期間中の発電量は20kWh、7200万Jに達する」と述べている点です(ニュース・リリース)。さらに、「オリンピックの陸上競技場のトラックを小型電気自動車で397周したり、1時間に1万個の携帯電話機を充電したりできるほどの発電量だ。この設備によって、歩道は24時間照らし出され、余った電力は2次電池に蓄えられる」と続けています。

エネルギー・ハーベスティングの“誤解”