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HOME日経ものづくり未来を切り開く技術マネジメント > 第5回:特許の活用

  • 井上 潤吾=ボストン コンサルティング グループ
  • 2012/07/26 18:31
  • 1/7ページ

 第1~3回では、自社で新技術を開発するプロセスを、第4回では他社を活用した新技術開発、すなわちオープン・イノベーションについて解説してきました。今回は、特許の活用方法を取り上げます。

戦略的な特許活用の広がり

 技術開発をなりわいとする企業にとって、特許の獲得により自社技術を防御したり、他社から侵害を受けた際に権利を行使したりしていくことは非常に重要です。スマートフォンおよびタブレットを巡る米Apple社と韓国サムスン電子の訴訟合戦や、1万7000件以上の携帯電話関連の特許取得が目的といわれる米Google社による米Motorola Mobility社の買収などといったニュースは、皆さんの記憶にも新しいのではないでしょうか。特許戦略の重要性を反映してか、近頃は特許価格が高騰しており、特許1件当たり100万米ドルを越えるような買収案件まで出てきています。グローバルプレーヤーを中心に、特許をはじめとする知的財産(IP: Intellectual property)の訴訟合戦やIPの獲得を目的としたM&Aが活発に行われている中、戦略的にIPを活用することの重要性は、グローバル市場における競争力を確保する上でますます高まっています。

 実際、企業によるIP活用方法は、前述した訴訟合戦にとどまらず、より戦略的な方向に進展を遂げています。従来型のIP活用方法である「自社での実施」「自社ビジネスの防御」についても、より戦略的なアプローチが広がっています。また、先進プレーヤーの間では、IPを商用化する動きや、技術・IPをテコとして事業の競争力を強化する動きが広がっています。代表的な4つのIP活用方法と現在の使われ方をまとめると次のようになります。

(a)自社での実施

 自社で研究・開発した技術に関して特許を取得し、他社が同じ技術を使った製品やサービスでビジネスを行うことを回避することにより、自社が有利にビジネスを進めることを目指します。製薬会社が自社で開発した新薬に関する特許を取得するケースなどがこれに相当します。この活用方法の効果と効率を高めるためには、カギとなる特許をピンポイントで押さえていくことが重要です。影響力の少ないアプリケーション特許ではなく、根幹となるイネーブリング技術の特許を押さえるなどの手法が見受けられます。例えば、最近注目を集めている拡張現実感(AR: Augmented Reality)の分野では、個々のアプリケーションよりも、その前提となる画像認識技術などがカギとなります。特許を押さえる際には、どのようなアプリケーションでも利用することになる、このような基本的な技術を押さえていくことが肝要です。

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