川下

 マザーボード大手各社の合計出荷数量は570万と対前年同月比(YOY)で-10%、対前月比(MOM)は+22%だった。主要4社全社においてMOMはプラスだった。YOYも4社中2社がプラスである。2Qの大手各社の合計出荷数量は対前期比(QOQ)で+7%と予想しているが、予想到達に必要な6月出荷数量はMOMで-6%であり、十分に射程圏と言えよう。ただし、新MPUの「Ivy Bridge」のマザーボード向け供給に関しては、ノートブックPCへの優先的供給などにより、3Qまで逼迫気味で推移する可能性があり、要注意である。

 各社出荷量のガイダンスは下記の通り。最大手の台湾Pegatron(Asustek Computer)社の2Q出荷量はQOQでほぼ横ばい程度。12年通年の出荷量はYOYでほぼ横ばい。市場想定を下回る実績とガイダンスを米Dell Inc.が提示した後に、同社は「2Qの見通しは変更ない」と述べている。マザーボード・ブランドとして2番手の台湾Gigabyte Technology社の2Q出荷数量はQOQで横ばい、12年通年出荷量はYOYで+5%程度。台湾Micro-Star International(MSI)の12年通年での出荷量はYOYで+5%程度との見通し。主要4社の1~5月の合計出荷量はYOYで-19%と決して良好な値ではない。月次数値のYOYも2月を除き全てマイナスとなっている。

 ノートブックPC大手各社の合計出荷数量は推定で1310万枚(YOYは+2%、MOMは+7%)だった。大手5社中3社でMOMがプラスだった。売上高も5社中3社でMOMで増収している。しかし5月出荷量はノートブックPC大手各社の想定や当社想定よりも低い。売上高も同様の傾向で、我々の2Q売上高予想に対する4~5月の達成率は台湾Compal Electronics社が52%、台湾Quanta Computer社が53%、台湾Wistron社が55%と低水準である。2Q出荷量ガイダンスも、下方修正もしくは下方修正を示唆する動きが見られる。例えば、QOQをCompal Electronics社は従来の「+15%」から「+10%未満」へ、Quanta Computer社は「+5~+10%」を「+5%程度」へ、Wistron社は「横ばいから+5%」を「-10%程度」に修正している。