図1●手順1~6のプロセス
[画像のクリックで拡大表示]

 この問題には、はじめに、3つのプロファイルが定義されている。プロファイル1が基本となるソリッドを定義する長方形、プロファイル2が凹形状を定義するスロット、プロファイル3が4角形の穴を定義する矩形(くけい)である。手順1では抜き勾配を付けてプロファイル1を30mm押し出す。手順2では高さ方向の4つの稜線(りょうせん)に半径3mmのフィレットを付ける。手順3では上面の稜線の全てに半径1mmのフィレットを付ける。手順4では上面からプロファイル2のスロットを2mm押し出してカットする。手順5では厚さ2mmでシェル化する。手順6ではプロファイル3を32mm押し出してカットする。手順1~6までのプロセスを図1に示す。

図2●形状の内側
[画像のクリックで拡大表示]

 設問44の解答を図2に示す。上面の裏面にフィレットは定義されない。その理由は、シェルで定義した厚みが2mmのため、上面に定義した1mmのフィレットは裏面では定義することができないからである。それから、手順4の押し出し(差)の後に手順5でシェル化しているのでスロットの部位は図2に示す形状になる。

 補足として、稜線に半径10mmのフィレット(R10)を定義した立体を図3の左に示す。この立体を厚み2mmで、シェル化すると同図の右のようになる。フィレットがシェル化されると図4の左に示すように、内側のフィレットの半径は8mmになる。これは「内側のフィレットの半径=外側のフィレットの半径-厚み」、この場合は「10-2=8(mm)」となるからである。

タイトル
図3●フィレットとシェル化
タイトル
図4●シェル化によるフィレットの半径の値
3次元モデルは断面で示した。

 従って、設問44のように外側のフィレットの半径が1mmで、厚みが2mmであると、内側のフィレットの半径は-1mmとなり3次元モデルとしては定義できない。結果、図4の右側に示すように内側の稜線にはフィレットが定義されないことになる。