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一人っ子政策、最近の若者、労務費高騰、どうなる中国!

中島 剛=日本能率協会コンサルティング シニア・コンサルタント
2012/06/12 00:00
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 中国では1979年に一人っ子政策がスタートした。かれこれ30年以上も前である。当時97%が農業従事者という農業国であった中国は、爆発的に増えるであろう人口を賄うために食料が不足することが大問題であった。この政策のため、最近では兄弟のいない若者が大半を占めている。このことが子供の教育にも変化を与えており、1人の子供ゆえ、教育に力を入れることが日常になった。塾や計算教室など、現地で聞いてみると、大体3~4種類の習い事をさせるのが普通になっている。

 これが今どのように企業に影響を及ぼしているか。日本流に言うと過保護に育っており、我慢することが苦手になっている。私が泊まるホテルの側に中学校や小学校があるが、窓から眺めていると、自家用車やタクシーなどで親が学校まで送ってくる光景を何度も目にした。

 また中国の日常の生活も最近では格段に豊かになっているため(社会主義資本経済)、親兄弟のために苦労して働くことに対し、昔と比べてかなり意識が変化してきている。現地企業の若者の実態を探ると「残業までしてお金はほしくない」と堂々と言ってのける現状である。ある企業では、生産が追い付かずに残業や土日出勤が続くと、転職する人がすぐに増えるということも経験した。そこまで苦労したくないというのが現実であろう。

 そうは言いながらも、楽をしてお金がほしいのは人間の常であろうか。隣の企業が賃上げを求めてストライキを打つと、それに感化されて、何人かの若者が自部門の仲間を先導し突然ストライキを打つことも目にした。部分的な山猫ストである。ある部門と言っても、その部門が生産停止になれば工場全体も止まるわけで、企業としては大打撃である。企業トップは組合がないので、誰が代表者か特定するところからスト回避へ向けた行動が取られる。代表者が分かっても、彼らは何か思想を持っているとか、重要な目的を果たすためなど何もなく、「隣の企業が賃上げをしたので、俺達も上げてくれ」と言っているのみで始末に負えない。従って、最近の若者の実情を考慮した現場マネジメントが求められ、プロパーの管理者もその能力が求められている。

 労務費についても最近では3年間でじつに1.5倍に増加している。福利厚生などを考慮すると、いくら人件費が安いと言っても、今では無視できない状況である。労務費が安いと言っても、業種によっては原価に占める人件費の比率が、日本並みに17~18%もある企業がざらにある。そうなると労務費高騰が企業の利益をますます圧迫してしまう。今後は本格的に労働生産性向上が重要な経営課題になることは間違いなく、事実中国の民間企業もコストダウンや生産性向上に関心を示し始めている。

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