連休明けなので、それらしい話題をお伝えする。開通したばかりの「新東名高速道路」が大活躍したようだ。お決まりの「日本坂トンネルを頭に…kmの渋滞」という放送が早くも懐かしい。

 ただし、4車線で開通させたことに対しては異論も多い。5月23日発行予定の「日経Automotive Technology」2012年7月号では、“異論”を代表する名古屋大学の中村英樹教授のインタビューを掲載することになっている。「既に6車線分の設備があるのだから、使わないのは逆に無駄だ。6車線は安全面でも4車線と大きな違いがあるから、交通量に余裕があったとしても6車線にする価値はある」という主張だ。紙幅の関係で入りきらなかった部分をここに紹介する。

 インタビューでは、6車線の道で多くのドライバーがキープレフトを守らず、中央の車線を走りたがる理由として道路の設計を挙げている。6車線道路の車線の幅は均等ではなく、中央の車線が左右の車線より広い区間がある。だから無意識のうちに走りやすい中央の車線を選ぶというわけだ。

 どうしてこんな間違った設計をしたのか。規準がそうなっているからだ。それではどうしてそんな規準ができたのか。調べてみたのだが、どこに聞いても分からないのだそうだ。土木行政に顔の効く中村教授ですら分からないのだから、誰にも分からないことなのだろう。

 仕方なく推測してくれた。おそらく、中央の車線は右隣、左隣両方のクルマと距離を保ちながら走るため、幅を広めにしたのだろう。繰り返すが、これは間違った設計だ。

 正解は「右の車線を細くする」だそうだ。右の車線を使って追い越しをする乗用車はトラックに比べて幅が狭い。直進安定性もいいから車線は細くて十分。逆に幅の広いトラックは右の車線に入りにくくなり、自ずとキープレフトが守られる。

 間違っているなら直せばいい…言うのは簡単だが、話がなかなか進まないことは、ここまでの経緯からも想像がつく。中村教授にはもう一頑張りお願いしたい。