AndroidはLinuxカーネルをベースとしており、オープンソース・ソフトウエアとして提供されています。そのため、スマートフォンで制御する情報家電などさまざまな機器に組み込むことが可能です。機器に組み込むAndroidの開発、移植、改造などをAndroidプラットフォーム開発といいます。

 プラットフォーム技術者認定試験ベーシックは、Androidプラットフォーム開発を行う技術者を対象とします。2012年夏以降に実施予定です。アプリケーション技術者認定試験ではAndroidシステム・アーキテクチャの上位層であるアプリケーション・フレームワークやアプリケーションを中心に技術やスキルを問いますが、プラットフォーム技術者認定試験では下位層のライブラリ、ランタイム、Linuxカーネルが中心になります。

試験範囲

 プラットフォーム技術者認定試験ベーシックの試験範囲は、「プラットフォームスキル for Android」に対応しています。「プラットフォームスキル for Android」は、Androidの開発、移植、改造を行うプラットフォーム開発に必要な技術要素を定義しています。要素を3段階の階層別カテゴリに分け、それぞれにスキル項目を設定しています。

『プラットフォームスキル for Android』とは? Androidを使用してプラットフォーム開発を行ううえで必要な技術要素を定義しています。要素を3段階の階層別カテゴリに分け、それぞれにスキル項目を設定しています。
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 「Androidフレームワーク」は、「init」「システムアーキテクチャ」「リソースファイル」「アプリケーションコンポーネント」「ストレージ」「通信」「一般的なセンサ」「LocationService」「マルチメディア」「ロギング」「IPC」「セキュリティモデル」「電源管理」「Zygote」の各カテゴリに分けられます。習得すべき知識・技術が多岐にわたること、重要度の高いスキル項目を多く含むことに注目してください。

 「ビルドシステム」(「ターゲット向け」「SDK向け」)はシステムをどのようにビルドするか、「カーネル」(「ビルドの階層」「デバイスコードのビルド」「カーネルコードのビルド」「ブートパラメータ」)はカーネルの階層やビルド方法、「ブートローダ」(「ポーティング」「FastBoot」)はブートに関する知識や技術を定義しており、いずれのスキル項目も重要度が高くなっています。

 「支援機能」(「開発機能」「デバッグ機能」「プロファイリング機能」)は、プラットフォーム開発に使用するツールに関するカテゴリを定義します。「CTS」(「CTS、CDD」)はテストに関するカテゴリです。

 「ライセンス」(「GPL、LGPL」「その他」)は、オープンソース・ソフトウエアを流用・改変する際にソースコードを公開する義務があるかなど、ライセンスに関するカテゴリを定義します。「AOSP」(「バージョン管理」「ソースコードを読む」「コントリビュート」)はAndroid Open Source Projectの略で、gitやrepoといったソースコード管理ツールなどのカテゴリを含みます。

 また、「Android Open Accessory」や「NDK」などを「その他」として定義しています。