工商時報の記事は、中国でGALAXY Noteの販売を牽引した役人らが先を争って買い求めたとしている。つまりは自分で使うということだろう。よって、他人から贈られたとしても、買い取り市場にはあまり出回っていないのではないかと調べてみたら、役人の子弟らしき人物が、ネットで売りに出しているのを見つけた。さすがに「淘宝(Taobao)」などの人気のオークションサイトでは目立ちすぎると思ったのか、出品していたのは、カテゴリー別に情報をまとめた情報掲示板サイト、中国語では「信息分類網」である。

 コメント欄には「これは私の母の所属先で昨日、政府の調達を通じて幹部らに支給されたものです。カラーはホワイト、一度も使っていません。店頭の実勢価格は5000元台ですが、自分でお金を出して買ったものではないので、今回は特別に4000元でお譲りします」とある。支給品を売りに出している行為はさておき、GALAXY Noteが役人ら個人の間で人気を博していると同時に、官公庁で調達の対象になっていることをうかがわせる。

 Samsungは今年初め、デュアルコア、Android2.3搭載のハイエンドモデルのスマートフォン「Samsung W999」を中国市場に投入。実勢価格は5月初旬時点で9900元と、iPhoneやGALAXYシリーズが2台買えてしまうほどの高額な設定だ。

 中国紙『南方都市報』(4月5日付)は、「中国の小売り業者は、ハイエンド層に対するギフト用として、高額で超ハイクラスなスマートフォンを必要としている」と指摘。かつてはフィンランドNokia社の端末が、このクラスのギフト用として人気だったが、現在はSamsungのW999や、GALAXY Noteが主力だとしている。

 Apple、Samsungのほか、最近ではHuawei(華為)社、ZTE(中興)社など中国勢の台頭も著しい中国のスマートフォン市場。この中で勢力を伸ばすには、ギフト市場でiPhoneやGALAXY Noteに対抗できるような端末を出せるかどうかが一つのカギを握っているのかもしれない。