台湾TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing社)が、2012年4月26日、2012年第1四半期(1Q)業績を発表、台北で説明会を開催した。以下、決算・決算説明会の概要を記す。

売上高は事前予想の上限超える

 2012年1Q売上高は、1055.08億NTドルと顧客の在庫積み増しにより、例年の1Qよりも需要は高く、事前予想(1030億~1050億NTドル)のレンジ上限を上回った。営業利益は対前年同期比(YOY)-10%、対前四半期比(QOQ)+8%の354.38億NTドル(1NTドル2.73円で1000億円弱)、当期利益は334.74億NTドル(同-8%、+6%)である。

 売上総利益率(事前予想の42.5~44.5%に対し実績は47.7%)および営業利益率(同28.5~30.5%に対し33.6%)は、ともに事前予想の範囲の上限を上回った。売上総利益率については、稼働率上昇などのプラス要因が、28nmプロセス初期生産時に歩留まりが低かったこと、為替の影響などによって、一部が相殺され、QOQ+3.1%ポイントの上昇になったと同社はコメントした。

 出荷数量(200mmウエハー換算)は2919枚(2011年4Qは2917枚)とQOQ+0.1%。生産能力(200mmウエハー換算)は361万6000枚/四半期と、QOQ+6%とガイダンス(359万2000枚/四半期)を下回った。

ASP(米ドル・ベース)はQOQ+3.6%の上昇

 プロセス別の売上構成比率は、先端プロセスの28nm、40/45nmと60nmの合計がQOQ+4%ポイント上昇の63%(28nmが2011年4Qの2%から4Qは5%に増加)となり、売上高の絶対値はQOQ+8%である。

 次に、張忠謀(Morris Chang)董事長、および何麗梅(Lora Ho)副総経理/CFOのコメントと質問に対する回答を記す。

 2012年2Qの予想として4点を挙げる。

 (1)28nmプロセス需要が引き続き強いこと、需要回復感が強まっていることから、売上高は1260億~1280億NTドル(QOQ+19%~+21%、為替レート前提は1米ドル29.58NTドル)

 (2)売上総利益率は47~49%とQOQ±1%程度(内訳:電力料金の上昇影響が-0.7%、為替影響-0.2%、300mmウエハー工場での28nmプロセス生産開始-2.5%、生産性向上+1.0%、稼働率の上昇+2.8%)

 (3)営業利益率は34.5~36.5%

 (4)生産能力(200mmウエハー換算)は350万4000枚/四半期のQOQ-1%(65nmプロセス向け装置の一部を28nm向けに移行するため一時的に生産能力が落ちる)。