世界各地にMemjet技術を展開(資料:Yole Developpement社)
世界各地にMemjet技術を展開(資料:Yole Developpement社)
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2016年にシェア7%を確保

 Memjet社は、Memjet技術が世界で300億米ドルの売り上げを生み出す可能性があるとみている。Yole Developpement社の予想では、早ければ2016年にMemjet社のプリントヘッドの売り上げが数百万個に達し、プリンタ市場における世界シェアが約7%となる。

 現在のところ、Memjet社は、家庭とオフィス、ラベル印刷、大判印刷の3分野に注力している。また同社のロードマップによると、 Memjet技術が軌道に乗った後に、写真プリント・ビジネスに向けた商品を展開することも計画している。

高速化ニーズがある印刷物に適用可能

 Memjet社は、大きな市場に狙いを定めていて、将来的には業界の大手企業と競合する可能性がある。同社の目標は、驚くべき速度と低価格を同時に実現するカラー印刷技術のグローバル・リーダーとして知られることだ。

 同社は、ハインツのケチャップのボトルから米UPS(United Parcel Service)社の荷札まで、あらゆるものを印刷する商業用バッチプリンタに大きなチャンスがあると見ている。つまり、プリント速度の上昇が望まれるすべての分野ということになる。

 Memjet技術が市場に与えるかもしれない重要な影響は、プリンタというハードウエアにしか興味を示してこなかった新興企業が市場に参入してくるだろうということだ。これには、プリントヘッド・モジュールやエンジンの主要部品に注力している企業も含まれる。

 結論としては、サプライ・チェーン全体がMemjetの影響を感じることになるだろう。Yole Developpement社のレポートでは、Memjet社の技術やプリントヘッドのコスト、サプライ・チェーンの運営、関連するサプライヤやパートナ企業、経営戦略、市場の可能性に関する予測、2011~2016年の売り上げ予想に関してタイムリで詳細な洞察を提供する。