「そういえば、プロボノ、やってましたよね? ちょっとNPOを立ち上げるので手伝っていただけませんか」
「はーい!」

 てなわけで、プロボノの一人としてハナラボを手伝うことになりました。ハナラボは、女子大生が社会的な課題に向き合うさまざまなプロジェクトを通じて、社会的な課題の解決と、参加する女子大生の成長を目指す取り組みを手掛けています。

 「女子大生が社会的な課題を解決する。なんてステキ!」と思うのは、私がバブル世代のオヤジだからというだけではありません! ハイ、断固として(笑)。

当事者意識を持ち、本気で取り組むべし

 この他、同じようにこの春に立ち上がる試みとして、「Mentor & Mentee Network」という団体にも参加することになりました。社会人経験が少ない若者を、単に所属する大学や企業が育成するだけではなく、実際の企業人がメンターとなって支援する取り組みです。社会貢献活動やインターンシップを経験しながら、メンターも若者も一緒に学び合おうという趣旨です。私も「プロボノ・メンター」として、若者の支援にデビューします。でも、学び多きは、むしろ私の方でしょう。そう思うと、ワクワクするばかりです。

 こうした、プロボノ活動に参加する上で大切なことが一つあります。

 それは、「本気で取り組む」ことです。

 前述したように、プロボノ活動は「プロのスキル」を提供する、専門家によるボランティアです。でも、それにも増して重要なのは、「お手伝い」ではなく、当事者意識を持つこと。支援する団体に自分が参加している意識を持つことが大切なのです。

 最近、私がプロボノとして手伝い始めた団体の代表者は、塾に通う代金を払えない世帯の子供向けに地域で学習を支援する取り組みを事業化しようとしています。なぜ、学習支援の必要があるか。代表者は、「企業のリストラ」も大きな原因の一つだと断言します。

 社会問題は多くの場合、さまざまな形でつながっています。一見すると関係がない分野でのテーマが、実は自分が所属するコミュニティーの課題が間接的に影響していることが少なくありません。だからこそ、ただ単に同情や慈善意識だけではなく、当事者意識を持って支援したいと思うのです。私は、リストラを担当した経験はありませんが、ひとりの企業人として彼の事業化に当事者意識を持って取り組んでいるつもりです。