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【御堀直嗣のテクニカル・インプレション】マツダ・アクセラ:運転のリズムを生み出す新型変速機、高い車体剛性と絶妙の乗り心地

鶴原 吉郎=日経Automotive Technology
2011/12/08 11:55
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 「SKYACTIV」はマツダの次世代技術の総称で、エンジン、変速機、シャシー、車体の各要素技術から構成されている。その次世代技術を採り入れた車種の第2弾が「アクセラ」で、第1弾の「デミオ」ではエンジンのみに採用していたSKYACTIV技術が、アクセラではエンジンに加えて変速機にも初めて採用された。

 試乗したのは、4ドアハッチバックのアクセラ・スポーツ20C-SKYACTIVである。排気量2.0Lのガソリン直噴エンジンに、アイドリング・ストップ・システムの「i-stop」が付く。新開発の変速機は、6速自動変速機(6AT)の「SKYACTIV-Drive」だ。基本的な構造はトルクコンバータを持つ通常の自動変速機と同じだが、ロックアップ領域を広げることで、手動変速機のようなダイレクト感のある動力伝達を可能にした。また、力強い発進や滑らかな加速、そして燃費にも、この新型変速機は効果がある。

 SKYACTIV第2弾としてアクセラSKYACTIVの最大の特徴は、この6 ATにあり、試乗でもそこに注目した。アイドリングストップからの発進に、不満を持つような遅れはない。そして、そこからの加速がとくに印象的だった。DCT(Dual Clutch Transmission)のように、途中の変速がほとんどドライバーに分からず、知らぬ間に6速に入っている。もちろん、速度がそれほど高くならない走行状態では5速までの変速となるが、メータ内のインジケータが、Volkswagen社などのようにシフトポジションを示す表示ではないため、今どの変速段に入っているか分からない。それほど変速は滑らかである。

 手動変速モードにして、シフトダウンすると、歯切れの良い変速で、素早くエンジンブレーキの効果を手に入れることができる。その結果、運転にリズムが生まれる。もちろんシフトアップでも変速の素早さが加速の良さと心地よさを生み出すが、ドライバーはブレーキングとシフトダウンが決まることによって、運転のリズムをつかむものであり、シフトダウンでのSKYACTIV効果がとくに印象深かった。

 その運転のリズムを崩さず、楽しさを持続させるのが、サスペンションとタイヤの設定である。それから、立てつけの良さ、仕上がりの確かさを感じさせる車体剛性もそうだ。立てつけが良いから、車体全体が一つの塊のように感じられ、クルマの動きを自然にさせている。

 サスペンションの設定は、メリハリの利いたスポーツタイプの感触でありながら、乗り心地を犠牲にしていないことに感銘した。それには、偏平過ぎないタイヤサイズの選択も成果をあげているだろう。サスペンションの動きは、減衰の利いたやや硬めの設定であるように感じるが、タイヤのハイトがあることによるいなしによって、乗り心地が硬くならずに済んでいる。この絶妙の乗り心地は、欧州車に通じるものがある。

 速度を上げていったときの走行安定性も高く、海外で操縦安定性についての評判がいいという開発責任者の話に納得させられる。快適さという点では、走行中の室内の静かさも大変優れ、タイヤのロードノイズが聞こえるくらいだ。4ドアハッチバックとはいえ、後席のゆとりは十分で、頭と天井の間にもたっぷりとした空間が残される。

 運転中唯一気になったのは、電動油圧式パワーステアリングの操舵力の重さだ。理論的には、直進走行中はタイヤにほとんど横力が働かないから、ステアリング保持力は軽くていい。だが、直進を保つためのわずかなステアリング操作でも、二の腕に力を入れなければならない操舵力の重さがあり、それが疲れを覚えさせる。特に女性には「重いハンドル」という印象を与えるのではないか? サスペンションジオメトリーの設定も関係しているのかもしれない。

 ステアリングの手ごたえは大切だ。しかしそれは、論理的に正しい重さであって欲しいわけで、何時でも重いハンドルは違和感でしかない。ここをもう少し修正してもらえれば、文句のないクルマに仕上がると思う。全体的には非常に完成度が高く、上質で、好感度の高いクルマである。これまでのアクセラから一味もふた味も新しくなっており、何よりまず運転してみることを勧めたい。

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