設計・生産 ものづくり現場の競争力アップに貢献する
 

第10回・日本製造業の実態 ~1万人の技術者への調査から見えた姿~

最終回「業界別ランキング」

佐藤 晃= iTiDコンサルティング 
2011/12/06 00:00
印刷用ページ

 2010年に実施した「iTiD開発力調査」の結果を紹介する本連載では、これまで日本全体の平均値にスコープを当てて各種数値データを交えながら日本の製造業の実態を解説してきた。いよいよ最終回となる今回は、少しブレークダウンして業界別の結果をランキング形式で紹介していきたい。ランキングは、2010年の開発力調査に参加した企業80社、約120事業体を業界別に分類し、業界あたりの企業数が比較的多い自動車業界、自動車部品業界、事務機器業界など6業界を対象とした。参加数が十分ではなかった医療機器や家電業界、造船業界などは対象外とした。従って、今回のランキングは対象業界の中での順位であるということをご理解いただきたい。

開発力は自動車業界がリード

図1

 まずはiTiD INDEXの総合評価のランキングを見てみよう(図1)。製品開発プロセスの実行度、定義度およびITシステムの活用度の全設問の平均点で表わされる開発力は自動車業界がトップとなった。2007年の前回調査で1位だった自動車部品業界は2位にランクダウンした。事務機器業界は3位を維持し、4位以下の順位にも変動はなかった。上位の入れ替わりは自動車業界の評点が伸びたことによるもので、他業界の開発力が落ち込んだということではない。

 もう少し詳細な結果を見てみると、自動車業界が全領域に渡って他の業界をリードしており、特に商品企画、詳細設計、プロジェクト管理の領域で差をつけていることがわかる(図2)。工作機械業界の詳細設計領域については建機・農機業界を除く他の業界と異なる傾向が見られる。この領域の設問内容を鑑みると、工作機械業界ではいまだに実物に頼った製品評価をしており、シミュレーションなどを活用した事前評価の技術が進んでいない可能性があることを示している。他の業界と比較して小ロット生産が多いということを考慮しても、改善の余地はあると考えられる。

 そしてもっとも評点が低いのは建機・農機業界である。実際には評点は若干伸びてはいるものの、2007年の前回調査に続いて6業界の中ではワースト1位という結果になった。ここ10年ほどで中国企業があっという間に追いついてきたのは建設機械技術が成熟しつつあるからだと考える向きもあるが、もしそうであれば日本の建機業界として差別化を図るポイントとなるはずの商品企画や技術開発の評点が他の業界と比べて目立って低いというのは気になるところだ。

図2
[画像のクリックで拡大表示]
【技術者塾】(9/16開催)
開発・設計者必修の購買コストダウン術

~コストダウン効果の高い開発購買と購買業務の基本テクニック~


設計と購買に精通した開発購買のプロが、開発・設計技術者に向けてコスト削減活動の重要性と活動への心構え、機能購買、有利購買の考え方・進め方、コスト分析技術、価格を決める交渉術など、開発購買を効果的に進めるために必要な購買知識を分かりやすく解説します。 詳細は、こちら
日時:2015年9月16日(水)10:00~17:00
会場:Learning Square新橋(東京・新橋)
主催:日経ものづくり
コメントする
コメントに関する諸注意(必ずお読みください)
※コメントの掲載は編集部がマニュアルで行っておりますので、即時には反映されません。

マイページ

マイページのご利用には日経テクノロジーオンラインの会員登録が必要です。

マイページでは記事のクリッピング(ブックマーク)、登録したキーワードを含む新着記事の表示(Myキーワード)、登録した連載の新着記事表示(連載ウォッチ)が利用できます。

協力メディア&
関連サイト

  • 日経エレクトロニクス
  • 日経ものづくり
  • 日経Automotive
  • 日経デジタルヘルス
  • メガソーラービジネス
  • 明日をつむぐテクノロジー
  • 新・公民連携最前線
  • 技術者塾

Follow Us

  • Facebook
  • Twitter
  • RSS

お薦めトピック

日経テクノロジーオンラインSpecial

記事ランキング