タッチ・パネル最新市場予測(2)静電容量方式の次なる市場は?
われわれが最近発刊した「タッチパネル市場調査レポート 2011年版」(詳細情報はこちらから)によると、2011年に12億枚、130億米ドル規模に達するタッチ・パネル市場で中心的なアプリケーションは、枚数ベースでは約7割を占める携帯電話機(スマートフォン)用途である(図1)。
また、タブレット端末は特に面積ベースでの寄与率が高く、タブレット端末市場が順調に拡大していけば2017年にはタッチ・パネル需要全体の40%近くにも到達する見込みである。
さらに、従来方式から静電容量方式へのシフトと共に市場拡大が期待されるアプリケーションとして、車載モニタやパソコン、文教・会議室用途のインタラクティブ・ホワイトボード(IWB)などが挙げられる。これらのアプリケーションでは、これまで抵抗膜方式や光学センサ方式などのタッチ・パネルが多く採用されてきた。しかし、ここにもまた、マルチタッチのニーズが強まっている。
車載モニタ用途では、これまで抵抗膜が主流だった。抵抗膜方式はタッチ・パネル市場の初期から採用されている技術であり、性能や生産技術も成熟し安定している。また、押圧を必要とする入力方法は誤操作が少ないとされ、手袋やペンなどでの入力も可能であることが評価されたとみられる。一方、静電容量方式は雑音(ノイズ)の影響を受けやすく、特に車載の環境では誤動作が懸念されることや、手袋入力が難しいことなどの問題点が指摘され、採用は進まないとみられてきた。
しかし、静電容量方式の普及により、これらの課題があってもなお「静電容量方式を採用したい」という意向がセット・メーカーや自動車/電装メーカーから生まれている。2011年現在、市販のカー・ナビゲーション機器やオーディオ機器には静電容量方式が既に採用されており、さらに純正製品にも採用の計画が始まっている。純正製品は計画期間が長いため、本格的に静電容量方式の採用が増加するのは2013年以降とみられる(図2)。
車載用の静電容量方式タッチ・パネルで必要とされているのは、ノイズ対策、手袋入力や反射防止、指紋付着防止などの性能や機能である。また、安全面から、保護カバーには強化ガラスではなくアクリルなどの採用が見込まれる。
ノイズ対策や手袋入力などの感度設定は、タッチ・パネル用コントローラICの調整によって可能だが、より細かなカスタマイズや試験はICメーカーではなくタッチ・パネル・メーカーが主体となって行うという。また、携帯電話機などと比較して市場規模が小さい上に、車種ごとの要求性能やデザインも異なるため、小回りの利くサポート体制が要求される。この点において、日本のタッチ・パネル・メーカーに強みがあるといえる。車載向け抵抗膜方式を主に供給していたのも日本のタッチ・パネル・メーカーであり、既に電装メーカーや自動車メーカーとの取引関係を持っている。
携帯電話機用途では、抵抗膜方式から静電容量方式への流れの中で、日本のタッチ・パネル産業は規模拡大に遅れをとり、この数年間で台湾に追い越された。さらに中国、韓国も技術の向上や生産規模の拡大を進めており、さらなる競争激化が見込まれる。価格競争は、日本が決して得意とは言えない部分である。技術的要求レベルが高く、付加価値の高い車載分野での、日本のタッチ・パネル・メーカーの活躍を期待したい。
なお、2012年1月25〜26日に開催を予定しているFPD産業の総合セミナー「第22回ディスプレイサーチフォーラム」では、「タッチパネル市場」セッションを設け、最新の市場動向についてさらに詳細に解説する予定である(詳細情報はこちらから)。
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